ひよこが駆け巡る!





今日は激励の時間とか、激励の言葉を聞いた先輩達が泣き止まなかったりした関係で、帰る時間がいつもより遅くなってしまった。体育館から出ると、すっかり外は真っ暗になっていた。

私は大丈夫だけど、潔子先輩とか潔子先輩とか絶対に一人で帰したくない。部員の誰もがそう思っているだろう。

『潔子先輩!一緒に帰りませんか?』
「うん。一緒に帰ろ」

やったー!これで怪しい男に襲われる可能性がゼロに近くなった!とは言っても、こんなど田舎に不審者とか現れる可能性の方が低いけど。しかし油断してはいけない。私は今から潔子先輩の専属ボディーガード…!

『いひゃ……!?』

心の中で一人でガッツポーズをしていると頬に痛みを感じた。こんなことを仕掛けてくる人は限られている。

「アホか。どうせまた一人で送ろうとか思ってんだろ」
『そ、そうだけど…!というか痛いぃ!』

影山君が頬を抓る力を弱めた。それでもヒリヒリは継続中。彼には加減という文字がないのだろうか。

「…俺も家に送ってやる」
『……ん?』
「一回で聞けボゲェ!」

影山君が今度は私のおでこにデコピンをかました。もちろん一回で聞こえましたけど、幻聴だったらどうしようかなとかいう思考が頭の中にいっぱい駆け巡っていたのだ。

『ありがとう!』

しかし、私一人ではとても頼りないので、ここはお言葉に甘えたいところだ。感謝の意味も込めて影山君の両手をとって上下に激しく揺らした。

「ヒヨコさぁ、もっと危機感持った方がいいんじゃない?」
『わぁ!』

今度は月島君が私の頭の上に大きな手を置いた。そのままグリングリン揺らされる。振動が体全体に伝わる。仮にも私女の子なんだけどなぁ。

『危機感って…?』
「女子と二人で帰ったら王様が変な気起こしちゃうかもしれないでしょ〜?」

変な気って、そういうことだよね。

『大丈夫、例え影山君が潔子先輩に変な気を起こしても私が止められるから!多分!』
「「そういう問題じゃねぇ/ないでしょ」」
『違ったぁぁぁ!?』

2人の声がピッタリだったもので、相当ビックリした。どうやら月島君が言ったことと私が思っていたことは違うみたいだった。

私は馬鹿だからそういうところをはっきり言ってもらわないと分からない。いずれにせよ、二人は潔子先輩守り隊の一員になったということでいいのだろうか?


結局、影山君と月島君が潔子先輩の家と私の家まで送ってくれた。二人とも歪みあいながらだったけど、私はいつも以上に楽しく帰ることができました。一緒に帰れるって幸せですねぇ…!

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