宮城県大会予選の初戦。
「よっしゃーーーー!」
『(良かった………!)』
全力で戦った結果、ストレートで常波を下して勝利。
まずは一勝。これで三年生ともう少しだけ長くいられる。嬉しい反面、少し複雑な感情を抱いていた。
確かに私たちは勝った。
勝った私たちはいいとして、じゃあ負けたチームは?負けたチームはどうなるの?
勝ったらまだバレーができるけど、バレーが出来なくなったらどうなるんだろう。またやりたいとか思うのかな。それとも、もういいやって投げ捨てるのかな。
もし本当にバレーに青春にかけていたんだったら、もう2度とやりたくないなんて感情には陥らないだろう。バレーが好きだから続けてこれた。でもどんなに努力したとしても報われないのなら、やる意味なんてないと思う人も沢山いるかもしれない。だけど、今このコートに立っている人の中で、努力なんて無駄だと思っている人はまずいないだろう。これまでの努力の成果を発揮するために、彼らはここにいる。
それはとても幸せなことで、途中で何人も辞める部活の中で三年間、…最後までやり遂げた人たちが味わう涙は、とても綺麗なものなんだろう。
悔いは残すな。口だけで言ってもきっと些細な悔いは残るだろう。でもそれ以上に満足が得られる。これが私たちがバレーをしてきた証なのだ。
負けたみんなの分まで頑張る。それは重大な責務で簡単に成し遂げられるものではない。その難しさ故に責任に押しつぶされそうになることは何度もある。
次も、また次も勝って同じ舞台に立ちたい。
入部間もない私でさえも魅了する烏野のバレー。
誰が名つけたのか分からない。
"堕ちた強豪、飛べない烏"
それは紛れもない嘘に近づいてきている。才能の片鱗を覗かせる彼らは強い。
弱った選手を支えるのが、仲間の仕事。仲間がいなければここまでこれなかったということを忘れずに、また次の試合に望まなければならない。
『皆さん、お疲れ様です!』
まずは明るい笑顔から、始めよう。私にはそれくらいしか出来ないから。
願わくば、全国の舞台へ。