ひよこが駆け巡る!





青城は見事に勝利した。彼らは何事もなかったかのように3回戦へと駒を進めていた。

勝つのが当然といったように、ほぼ点数をとられることはない試合だった。

その圧巻の試合をみた後に、私たちは静かに帰りのバスに乗車した。あんな人達に勝てるのだろうか…なんて重い雰囲気はなく、疲れが一気に放出されたように皆さんは眠りについた。

みんな相当疲れていたようで、学校に着くまでずっと寝ていた。それも無理はないだろう。


今日は二試合もあった。それも一試合はダークホースとも呼ばれる鉄壁と戦って、とても強かった。あのブロックに捕まり始めたら一溜まりもないよ…。あの試合を見ていたら一瞬でもそう思ってしまった。気持ちが途切れてちょっとだけ心が折れそうにもなったけど、でも勝った。


努力は報われると立証された瞬間だった。同時に気持ちが強くなればさらに強くなれると確信した。私たちは人間だ。少しのことで気持ちを揺さぶられること沢山ある。でも、精神まで強くなったら、烏野というチームはもっと強くなれるんじゃないかと思う。

そして明日はいよいよ青城戦。

少しでも油断をしたら負けてしまうようなチームだ。この前の練習試合で勝ったという事実は覆らないけど、今度はどうなるかはやってみないと分からない。負ける可能性だって勝つ可能性だって十分にある。

試合を見て思ったことは、青城は非常に安定感のあるチームだということだ。

練習試合では、烏野高校は西谷先輩とアサヒ先輩がいなかったけど、相手には及川さんがいなかった。一人の参入でどれだけの力が影響するのかは未知だ。

とは言っても及川さんのセッターとしての才能をまだ身近に感じていない。たぶん、先ほどの試合の及川さんは全力ではなかったように見えた。それに、私たちのチームとどれほど相性が悪いものなのかが分からない。


決して簡単な試合などない。その事を肝に銘じて試合に臨むべきだ。


明日の青城戦も、今日の伊達工業との試合みたいに、きっと苦しい戦いになるはず。


でも練習は無駄にはならない。あの必死にボールにくらいついて汗をかいた練習は嘘をつかない。きっとこの試合は一生に残るものだから、勝ちたい。

勝ってあの夢の舞台へ。


かつて小さな巨人が立ったというIHの舞台へ……。

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