大会会場から帰って来て、ミーティングをしてからの帰り道。
今日は嬉しいことに、また影山君が家におくってくれることになった。翔陽君もおくると言ってくれたんだけど、翔陽君の家は遠いから明日のことも考慮して早めにお家に帰ってもらうことにした。
翔陽君の優しすぎる気持ちは十分に貰いました!でも気持ちを無下にするのも申し訳ないから、途中までは一緒に帰ることになった。
それにしても今日の影山君は一段と眉間に皺が寄ってるなぁ。明日の試合は、影山君の先輩であり、同じポジションでもある及川さん率いる青葉城西高校だからだろうか。
「おい影山!10代半ばにして眉間のシワとれなくなるぞ!」
「ァ"!?」
おぉ、翔陽君怖いもの知らず!翔陽君がピリピリした状態の影山君に後ろからグイッと話しかけた。すっごく勇気ある…!
「明日、大王様倒して___」
翔陽君の何気無い言葉が影山君のモチベーションを上げるってこと、きっと知らないんだろう。翔陽君は無意識に周りの人を巻き込んで、その心を震わせる。彼の笑顔も太陽みたいだけど、その存在自体も太陽のようだ。みんなを明るく照らし、正しい方向へ導く存在。
「テレビに映るんだから爽やかな笑顔の練習した方がいいぞ」
「!?余計なお世話だ」
『テレビ、明日は皆映るといいねぇ』
「おぅ!明日こそはちゃんと映りてぇぇぇ!!」
今日の地元のテレビ放送では、残念ながらわが校の名前が挙がっただけだったけど、青城に勝つともなれば一気に認知度が上がるだろう。
「試合には勝つ。勝たなきゃ先に進めねぇ!」
頼もしい言葉に私の口角が上がった。自分のために、三年生のために、そしてチームのために戦わなきゃ駄目だ。諦めたらそこで試合終了だとは良く言ったものだけど、まさしくその通り。諦めない限り希望はきっと見えてくる。「諦める」という言葉は烏野高校排球部に一番似合わない言葉だ。
それに試合は負けるより勝った方が嬉しいに決まっている。
『影山君頼もしい!頼もしすぎる!』
先回りにして影山君の正面に立ってそう言うと、影山君は口を尖らせて、
「早く帰るぞ、ボケェ」
ちょっとの間だけど、影山君と過ごしてきて分かったことがある。影山君はこうしてボケェとかアホとか言ってくるけど、今回の場合は多分照れ隠しだと直ぐに分かった。まったく表現が不器用な人だなぁ。
これから過ごしていけばもっともっと色々な事分かるんだろう。影山君だけじゃなくて、他の人のことも、もっともっと。もっと知りたいな。