試合当日。
チームの雰囲気は極めて良好。
そして今日も潔子先輩は美しい。
朝、美しい微笑みで挨拶を返してくれました。あの美しさに叶う人は未だに見たことがありません。
…とそうではなくて、今は試合試合…!
試合前のウォーミングアップはどちらのチームも気合いが入っている。
その中での注目選手はきっと誰の目からみても"及川"さんなのだろう。
恐らく総合力では県内NO.1だなんて凄すぎるポテンシャルを兼ね備えた及川さん。そんなチームと今日戦うのだ。今まで近くで見る及川さんはヘラヘラして笑っていたが、今度は集中モードの彼を間近で見ることができる。脅威であり、注目対象でもある人物だ。
今日も菅原先輩はベンチスタートだ。
先輩の献身的な支えがなければ、チームはきっともっと纏まりがなかったように思う。本当にチームに必要不可欠な存在。というかチームに不必要な人なんていない。
よし、気合いだ。気合を入れるんだ私も!
そしてその気合いをみんなに分けてあげるんだ…!
『烏野ー!ファイ!』
積極的に声を出して、ボール拾いに参加する。
「苗字、気合い入ってるなぁ」
アップ中の菅原先輩が話しかけてくれる。
『皆さんも気合い十分ですね!きっとさっき菅原先輩が言った事が効いたんですよ!』
さっき言った事とは"声出せ声出せ!このコート青葉城西しか居ないみたいだぞー!"の声かけのことだ。青葉城西の応援や気迫に圧倒されていたアップ中の烏野高校だったが、菅原先輩のこの声かけのおかげで一気に雰囲気がが変わったのが分かった。昨日は西谷先輩が士気を上げてくれた。そして今日は菅原先輩だ。みんな自分のそれぞれの役割を知っている。だからこそ烏野はこんなにも纏まっていて、輝いて見えるんだ。
「…そうだといいんだけど」
菅原先輩は相変わらず謙虚だ。
すごくいい人すぎて、尊敬してしまう。良い人なんて言われそうにもない、この私の性格だから、菅原先輩みたいな相手を心から思いやれる性格を見習いたい。
でも私では菅原先輩の代わりになんてなれない。菅原先輩には菅原先輩にしかできないことがあって、きっと私にも私にしかできないことがある。
『菅原先輩は…やっぱり素敵な人です。一緒にいたら笑顔になれちゃうんです、私。』
「苗字は俺を喜ばせることばかり言いすぎ」
ボールをもつ菅原先輩の表情はとても照れくさそうだった。
…しまった〜!余計緊張させてしまった!?いや、菅原先輩の精神力は並の人と一緒でない。私の些細な一言で精神が揺らぐような人ではないのだ。不屈の心を持った、頼れる副キャプテン。…応援してます!