つい先日行われた扇西高校との練習試合を見ていた仁花ちゃんの目は輝いていた。生き物のようにそれぞれのコートで駆け巡るボールの行方を必死になって追っている。最初は私もそうやってバレーにハマっていった。
時々スパイク音の大きさに驚いたりすることもあったけど、好奇心ばかりが先行して目が離せないようだ。
それに後の翔陽君の熱い一言や、皆さんの言葉が胸に響いたようで、なんと晴れて今日から正式部員です!
そして入部してから仁花ちゃんはさっそく一役かってくれました。それは仁花ちゃんにしか出来ない大仕事。
烏野の町中に貼られたポスター。それは仁花ちゃんが考えてくれたものだった。
"小さな巨人"、再来。
烏、再び全国の空へ"
躍動感、高揚感、通り過ぎる人々の目を引くようなレイアウトのポスター。そのポスターを見た瞬間ゾクっと心臓が高鳴った。このポスターはバレー部の遠征や、先週の練習試合の時の費用などを募集するために作成されたものだった。
すごい、すごいよ仁花ちゃん…!かっこいいよ!どうしてこんな素晴らしいデザインを思いつくのだろう。
「えー、今日から谷地さんがマネージャーとして正式入部ということで_」
澤村先輩が言った後に潔子先輩が仁花ちゃんの前に立つ。
「ハイ」
「?………!!!うおおお…!」
潔子先輩が手渡したのは"烏野高校排球部"と書かれた真っ黒なジャージだった。それは部員たちが全員持っているものだった。ふふ、仁花ちゃん驚いてるだろうなぁ。というか様子を見ていれば分かるか。あんなに目をキラキラ輝かせてる。
「せーーの!」
「「「ようこそ!!烏野高校排球部へ!!!」」」
「……!!よっ、宜しくお願いシャス!!」
「「「シアース!!」」」
仁花ちゃんの男らしい挨拶に部員全員で挨拶を返す。これでますます活気がでそうだ。
「よし、東京遠征までもう少し!あとは__テストを残すのみ…」
「谷地さん…!」
今度のテストが最大の危機である四人が息を呑む。翔陽君は相当焦った様子で仁花ちゃんに助けを求めた。仁花ちゃん進学クラスだし、とびっきり頭いいもんね。そりゃ助け求めたくなっちゃうよね。
「いいよ〜」
「!!名前ちゃんも、良かったら力貸して!」
翔陽君が私にも救いの手を求めているっ!これは助太刀せねば。このテストで赤点を取ってしまった場合、東京合宿への道は遠のく。それは絶対に避けたいことだ。
『うん!一緒に頑張ろうね!』
かくして、テスト目前の追い込み計画は始まった。