ひよこが駆け巡る!





勉強のお手伝いをすべく、我が烏野高校排球部の部室にお邪魔した。普段部員たちが着替える場所として使っている部室は思っていたより広かった。部屋から男らしい匂いが若干する。これが青春の証ですね!

「ヒヨコってテストの順位何位くらいなの?」
『私?私は対したもんじゃないよ〜。この前は23位とかそこら辺だった気がする』
「ふーん。まぁ悪くはないんじゃない」

ちょっとだけ月島君に褒めてもらえた気がする。というか今まで彼に褒めてもらったことがあっただろうか。最初は私のこと嫌いなのかなって思うような言動も多かったけど、今は少しは認めてもらえているような気がして嬉しい。

『月島君が頭良すぎるだけだよ。いっそ脳みそ交換しない?』
「は?何言ってんの?ヤダよ」
「それは絶対やめろ!性格まで移るから!」

月島君には拒否され、飛雄君にも全力で否定され。挙げ句の果てには二人で歪みあい。ちょっとピリピリしすぎたと思うんだ、二人は。もっと仲良くしていてもおかしくないくらい、一緒にいろんなことを乗り越えてきたのに、いつまで経っても二人の仲は改善されないままだ。

『……そっか。ダメかぁ…』

あからさまにガックリしてしまった。勿論脳みそ交換なんて行為は現実的に考えて無理なのは分かっているが、二人に否定されて悲しい気持ちになった。

「…分からないトコあれば聞けば?それくらいは教えてあげるけど」
『ほんと!?心強いっ!心強い強いよ月島君!』
「単純すぎ」


そんな私の姿を見て可哀そうに思ったのか分からないが、月島君が願ってもない提案をしてくれた。


月島君は凄く頭がいいから、常々彼の知恵を借りたいとは思っていたけど、まさか教えてもらえるなんて思いもしなかった。私は数学が苦手なので、これはぜひとも数学の得意な月島君に教えていただきたい。一年生の時点で数学に躓いていては、今後の数学人生にも影響してくるだろう。

ところで、休み時間とか聞きに行ってもいいのかな?

『休み時間とか、聞きに行ってもいい…かな?』
「別に、勝手にすれば」
『本当に、いい?』
「だから勝手にすれば?」
『そっかぁ、ありがとう!じゃあさっそく明日、月島君のクラスにいくね』
「あんまりうるさくしないでよ」
『うん!』

これは分からないコトをどんどん聞くチャンスだ。良い点数をとって、景気づけにして、士気も高めて、東京に行く!


(あれだよな、月島って名前ちゃんに甘いよな)
(それ前から思ってた!)
(おいどうした影山、そんなに眉間にしわ寄せて!)
(なんでもねーよ!!!)

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