ひよこが駆け巡る!





土曜日


ついにこの日が来てしまった。


そういえば、昨日、一年生の新入部員の間でいろいろといざこざがあったと聞く。私はその場にいなかったから、どういういざこざがあったのか分からないけど、どう考えても空気が悪いのが分かる。なんだか険悪ムードの中、試合が始まろうとしていた。


あからさまに相手を(特に影山君と月島君)がいがみ合っている。凄まじい迫力に私まで圧倒される。な、なんとかこの場を収めないと…!

『月島君、山口君』
「何?」
「ん?」

月島君は態度だけではなく返事までもがとげとげしい。名前呼んだだけだってば…!

『頑張ってね!』

少しビビりながらもまず初めに、つい最近知り合った二人に応援の言葉を送る。どうやらこちらのチームには澤村先輩が助っ人として参加するらしい。澤村先輩は守備力に定評があって、練習風景を見ていると、そう謳われるのにも納得がいく。チームの大黒柱的存在なんだろう。


「たかが三対三だし王様さえ煽れたらそれで満足」

ちょっと聞き捨てならないセリフが聞こえてきたけど、こちらのチームもちゃんと応援したいと思う。

次に影山君と翔陽君、そして田中先輩のいるチームに歩みを進める。

『皆さん頑張ってください!』


あちらのチームには悪いけど、本命はこのチームだ。マネージャーとしてはあるまじき行為だが、今日だけはそれを許して欲しい。一応彼らの朝の練習は見てきたから、今日は勝ってもらいたい思いが強い。

「おっしゃ!絶対勝つぞお前らぁ!」
「「ウッス!」」


やる気スイッチの入った田中先輩は雄叫びを上げては体育館に響かせた。それに続くように返事をした二人も気合十分。私も拳を握って祈る。

「影山、足引っ張んなよ!」
「お前こそヘマすんなよ」

なんだかんだ二人は息がぴったりなのかもしれない。

しかし、どちらのチームが勝つなんて予測できない。相手のチームの強さも分からないし、それほどの実力差があるのかも想像がつかない。

練習を見ている感じ、月島君も山口君も明らかに素人の動きではなかったということは、おそらく経験者なのだろう。

しかも、月島君と山口君の身長は明らかにこちらのチームの平均身長よりも高い。これは侮れない。

しかし誰が何と言おうと今日だけは翔陽君と影山君、そして田中先輩のチームを応援させてもらう。

異論は認めません!

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