ひよこが駆け巡る!





今日はなんとなんと!

谷地ちゃんなる人が、部活に仮入部で見学しにきてくれましたよ。あな、めでたや。

『谷地ちゃんは、マネージャーの経験ってないんだよね?』
「うん!な、ない!」
『じゃあピッチピチだ!』
「(ピッチピチ…?)そうなるかな!?」

谷地ちゃんとの会話は、同学年の同性だからか思いの外弾む。潔子先輩と話すことはもちろんこれ以上ない至福だが、谷地ちゃんとの会話は、こう、勢いがある感じがする。私は元々本能で話しかけるタイプなので、同じく反射で話してくれる谷地ちゃんとは気が合うのだろう。

「仁花ちゃん」

練習前二人でお話をしていると潔子先輩が谷地ちゃんに話しかけていた。私も仁花ちゃんって呼びたい!そして私のことも名前で呼んでもらいたい。

「今日は練習見学だね。緊張しなくていいからね」
「シャチ!!!」
『(シャチ?)……イルカ!』

最近、谷地ちゃんの中でシャチという返事が流行っているのだろうか。もし、他に言うとしたらはジュゴンとか鮫とかかな?

「名前ちゃん」
『はい!』
「仁花ちゃんにいろいろ教えたいことあるから、用具室整理してきてもらっていい?」
『潔子先輩の頼みとあらば、責任を持ってこなさせていただきます!』

やったー!潔子先輩からのお願いだー!気合いと気合いと気合いがはいる。みんなに感心してもらえるくらいメキメキ働くぞ。

『あ、そうだ!仁花ちゃん!』
「は、はい!?」
『もう呼んじゃってるんだけど、仁花ちゃんって呼んでもいいかなぁ…?』

許可をもらう前に呼び始めてしまったが、彼女はそういうことを気にしない人だと思う。

「も、もちろんであります!」
『ありがとうございますであります!では私のことも遠慮なく名前で呼んでくれると嬉しいでごわす!』
「(ご、ごわす!)じゃあ名前ちゃん、って呼ぶでごわす!」
「(何だろう、この会話……)」


やっぱりすっごく仁花ちゃんとは会話が噛み合うと思う。同学年の女の子ってだけで…、気兼ねなく会話ができる。うっ、嬉しいよぉーー!!今はまだ仮入部だけど、これで仁花ちゃんが本格的に入部してくれれば、嬉しいこと間違いなしだ。私は可愛い系女子と綺麗系お姉さんに囲まれて心底幸せです…。

と言う事で、上機嫌のまま用具室の掃除に向かう。今日はいつもの倍も綺麗に整頓できる気がしますね。恐るべし女子パワー。

そしてその日の練習の後、扇西高校からの練習試合の申し入れがあった事を知らされました。その練習試合には仁花ちゃんも参加してくれるそうです!やりました!

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