次こそは頑張ろう


今日は真琴君と二人で遊園地に遊びに来ていた。

幾つかの乗り物に乗って、少し休憩することになったのはいい。けど、ジュースを買ってくる、と言ったまま真琴君が帰ってこない。彼が行ってしまってからまだ3分ほどしか経っていないが心配になってくる。きっと列が混んでいるに違いない。そう思って気長に待つことにした。

「ねぇ、そこの君。」
「……………。」
「ねぇ君。……ねぇったら。ちょっ聞いてる?」

私の周りには誰もいないので……私だろうか。
振り向いた先には…少年?男性?らしき人物が。多分、高校生くらいであろう男の人が数人いた。

「あぁ、やっと気づいてくれたか。もしかして自分だと思ってなかった?」
「…はい。知り合いの声ではなかったので。」

その問いかけに答えたのは先ほどとは違う人物だった。

「一人でしょ?俺らと一緒に遊ばない?」
「い、いえ……一人じゃないです……。」
「えぇー、友達とか何処にもいないじゃん。」

完璧絡まれてますね、私。こういう時の対処法を真琴君に教わったんだけど……、どうだったっけ?

「彼氏ならここにいますよ」
「真琴君っ!」

私の肩を掴んで、ニコニコ笑う真琴君。途中でヒーローが現れた。私は吸い込まれるように立って真琴君の元へ駆け寄る。一先ずは安心した。

「んだよっ、マジ彼氏いんのかよ」
「あぁーつまんね。」

彼氏が現れた途端に、機嫌を悪くして退散して行く男の人たち。私に声を掛けたのなんて、所詮お遊びにしかすぎないのだろう。

「ありがとう、真琴君…」
「あのね、名前。これで何回目?」

ため息を尽きながら困ったように笑う彼に、申し訳ないと思う気持ちが増す。

「わかんない…」
「…本当に、名前は油断しすぎだよ。」
「ごめんなさい」
「俺は別に怒ってるわけじゃないよ。ただ、名前が心配なんだ」

自分でもわかるくらい浮かれてて頭の中がぽやぽやだ。真琴君といると全ての危険の警報が緩んでしまう。

次こそは真琴君のために頑張ろう。
次、誰かに話しかけられてもキッパリ断ろう。

好きだと言った自分に、応えてくれた彼のためにーー。

私には始めから真琴君だけなのだ。