平和はやって来ない


今日はなんて平和な日………。

「バカ殿ー、名前を引き取りにきたぞ。」
「いいや、名前は俺たちのものだ。渡さないぞ」


なわけがない。今日も言い争いが始まった。私の話をしたっていい事なんてないのに。しかも、もの扱いって酷くない?

「こんなとこいるより俺らの所にきた方が絶対いいって!」


近くに来てポンポンと肩を叩かれた。ジュダルのポンポンは強くて痛い。
この、怪力め!


「ジュダルは何を言ってるの?
私ってほら、シンドリアにお世話になってるでしょ?
だから今更煌帝国に行くつもりがないっていうか。」


「んなこと言うなって!あっちで紅炎も待ってるぜ?」
あ、あの紅炎さんが!?
前に一度だけ会ったことがあるけど凄く怖かった印象しかないんだけど…。


「それに白龍だってなお前の事待って…」
「白龍君が………!」


ジュダルが話し終える前に言葉を遮った。だって弟にしたい人No.1の白龍君が私を待ってくれていると聞いたらいてもたってもいられない。それに紅覇ちゃんがいたら最高だ。

「ってことで行くか…。」


ジュダルは当たり前のように私を担いだ。可笑しい、じゃなくておかしい!白龍君や紅覇ちゃんに会いたいのは事実だけど、それとこれとは話は別だ。

今の状況笑えるようなことではない。この目は本気の目だ。


「た、助けてっ……。」
「名前に何をするんですか、離してください」


助けが来たかと思えばジャーファルさんだった。よく見ると、その後ろにはズラリと八人将が立ちはだかっていた。強力なメンバーにホッとため息をついた。


「ハァ、また、来ましたか…。」


ジャーファルさんはジュダルの姿を見てため息をついた。


「まったく、俺の名前ちゃんに手を出さないでくれよ」


シャルルカンさん、いつから私は貴方のものになりましたか?
仲間の発言に呆れていると、いつの間にか目線の高さが変わっていた。


「………大丈夫ッスか?」


私は逞しすぎる腕の中にいた。そう、いつも安心安定のマスルールさんだ。


「もちろん名前は俺と一緒に来るよなぁ?」
「何を言っているんだ。何があっても渡さないぞ」


シンさんとジュダルが対峙する。
私に平和な日なんて来るのだろうか。