願うこと
「にゅふふ。さぁー授業を始めますよ。」
ヌルヌル。人間ではない得体のしれないものが授業をしている。
この生物は、ただ見ている分には可愛い(私的に)私たち椚ヶ丘中学校三年E組の担任。
他には副担任として、烏間先生、イリーナ先生がいる。
周りからこのクラスは"エンドのE組"と呼ばれているらしいけどそんなのはどうでもいい。
私はそんなこのクラスが大好きなのだ。ツッコミや笑いの絶えない教室。
この教室に私の居場所を感じていた。
このクラスみんなで卒業できたらいいな…、なんてことは不可能と言っても過言ではない。
なぜなら、殺せんせーを殺さなければ来年私たちがこの地球に生きている保証がないからだ。
ある日突然月が爆発して七割方蒸発したかと思えば、今度は地球も破壊するという。それを宣言したのが我が担任殺せんせーだ。そんなことがあってはたまらない。
だから私たちは殺せんせー先生を日々暗殺しようしているのだ。
…それでも殺せんせーとも一緒に卒業したい。そう思っているのは私はだけだろうか。
「はい、それでは今日は。…何をします?」
『決まってないんですか!』
あまりのおとぼけに大きくツッこんでしまった。
「にゅふふ。安心してください。ちゃんとやることは決まってますから。」
なんだ、冗談か…。
思い切りツッコミにはいってしまった私が恥ずかしい。
「みなさん、今日は何の日か知ってますか?」
「えー…、何の日だろう」
「知らねーよ!」
先生の問いかけに教室全体は一気にガヤガヤとし始めた。
…なんか重要な日だったかな?家にあるカレンダーを思い出す。
それでも思い出せなかった。まさか、先生の誕生日とか?
「実は…、今日は……なんと!給料日なんです!」
シーン。
「そんなに大事じゃねーよ!!」
笑い声が教室中を駆け巡った。
た、確かに私たちに全く関係のないことだ。
一方殺せんせーの方は鋭いツッコミに満足した様子だ。
すると茅野さんが挙手をして殺せんせーに質問をした。
「せんせー、それと今日の授業とは何が関係してるんですか?」
「あっ、いえ、まったく関係ありませんよ?」
遊ばれてる…。私たち完全に殺せんせーに遊ばれてるよ。
だって見てあの表情。緑と黄色のしましまですよ?
あれは私たちを舐めてかかっている証拠だ。
もう余裕ぶっこいて、私の爪手入れされてるし。
…ありがとうございました。
「さて、今日はみんなでスイカ割りでもしましょうか」
教室を出て行ったとおもえば、瞬時に帰ってきてみずみずしいスイカと棒を持って帰ってきた。
『せ、せんせー…。そのスイカはどこから…ですか?』
「そこの小川で冷やしていたんですよ。まさか、盗んできたと思っているんじゃないでしょうね!なんと失礼な!先生がそんなことするわけないでしょう!」
『……。』
「なんですか、その目は!ちゃんと先生のお金で買いました!」
まるで子供が駄々をこねている時のように怒った先生。
何というか、先生も子供みたいだな…。
「それはともかく。今からみんなで外に行きましょう!」
皆は束の間の休息に音符を撒き散らしながら上機嫌に外に向かった。
こうして、また今日も一つ思い出が出来た。
こんな風に、いっぱいいっぱいいい思い出ができるといいな…。
来年、この地球が残っていることを願って。
今日もスイカを頬張る。