もっと可愛くしてあげる


嫉妬心というものは多くの人が持っているだろう。


それがいいと思うか、悪いと思うかは個人差がある。しかし、あまり度が過ぎると明らかに悪いであろう。

しかし、独占したいと思ったり、嫉妬したりするということは、その人のことが本当に心の底から好きだと言うことだ。好きだから自分のものにしたいし、自分以外の異性とやたらと親しくしてほしくない。


それは当然といえば当然のことなのかも知れない。誰しも自分の宝物に気安く触って欲しいものではない。大切であるからこそ独占し、嫉妬するのだ。

だがしかし、私の夫になったばかりの荒北靖友は、はてして私に嫉妬心を抱いたことはあるのだろうか。一度も私はヤキモチというものをやかれたことがない気がするのだ。


私ばかりが彼に少なからずの嫉妬心を抱いている。例えば、高校の時自転車で走る部活に入っていた彼は少数派のファンがいた。あの容姿でいても優しい性格であるが故にコアなファンがいたらしい。


私は取り敢えずヤキモチを焼いてもらうべくいろいろ考えてみた結果、ほかに男の子の話しをするのが一番だと考えてみた。

まずは巷で有名な芸能人の話しとか…。

「このドラマに出てる俳優、すっごくカッコイイなぁ。」
「………。」


眉をピクッとさせたものの食いついてはくれなかった。次は同じ自転車競技部だった男の子の話でもしてみよう。本当にみんな仲が良くて楽しかったなぁ、あの時は凄く。今でもあの時の思い出は忘れられない。なにより靖友が一番輝いていた時の思い出だもの。忘れられるはずもない。


「あ、そう言えば新開君と、東堂君は凄くモテモテだったねぇ!」
「あぁ、そうだったネ」
「福富君なんか男前で素敵だったなぁ…!」
「福チャンのことだから当たり前」
「泉田君と真波君はとても可愛い後輩だった!」


「……なんで今日は俺以外の男の話バッカリするわけェ?」

おっ、くいついてくれた。私はこれだけで満足を覚えていた。これだけで良かったんだけどなぁ……。

「だって…全然靖友ヤキモチやいてくれないんだもん…」
「……可愛いこと言ってくれんジャン」
「どうしよう…恥ずかしい!」
「あー、そうだ。今からもっと俺の下で可愛くしてあげるけど、夜もまだまだこれからだしィ?」
「な、ナニイッテルノ…」
「今さら断っても遅いからネ」

さっきまでの焦った顔は何処へやら。キラキラにかがやいた新品の指輪は外さずに、余裕をもった靖友に弄ばれたのは言うまでもない。

単語
新婚、嫉妬