焦がれ、枯れ果てた愛


言葉なんか無くても解る。

ずっと、ずっと欲しくて堪らなかった。

何度も恋焦がれた。

一途で強い光を宿した漆黒の瞳を持った、この世で誰よりも大切で愛しい存在。
でも、だから、だからこそこの感情を止める事が出来なくて束縛するようなことを口走ってしまった。

喧嘩の原因は確かそれだったと思う。喧嘩後には急に家を飛び出して暗い夜道を駆けていた。追いかけずに俺も頭を冷やそうと黙っていた。

整理がついた頃、その日に電話をかけてみても全くでない。きっとまだ怒っているのだろうと、その場はおさまった。


でも名前が電話に出なかった理由はそんな生温いものではなくて。

「名前が………、足を滑らせて海に転落して……。」


彼女の両親から電話があったのはそれから二日後のことだった。言葉も出なかった。

あんな暗い夜道を一人で出歩かせた俺が彼女を殺したのだと言っても過言ではない。そう考えると腕の震えが止まらなかった。


名前の脚は頼りない。内に抱えた弱さや脆さ、寂しい部分を支えるには細すぎるから、よろめくお前を受け止めるためにずっと俺が隣にいるんだと確信していた。


………どこから間違えた?いつから間違えた?


全てを壊してしまったら、微笑みながら見つめてもらうことも、優しく名前を呼ぶことも、抱き合い体温を分かち合うことも、手を繋ぎ街へ出かけることも、一緒に同じ道をずっと歩むことも不可能なのに。


枯れた最期を見届けて永遠に失ってしまった。

愛も、心も、彼女自身ももう死んだ――――。

_____宗介…!

今でも聞こえるよ、お前の声。愛しいものを失った俺の心さえもいつか蝕まれていくのだろう。彼女を失った時の悲しみと同じのように。

単語
喧嘩、死