全身からおまじない


私は独占欲が強いと思う。

そもそも私をそうさせるのは尽八が悪い。あいつ…は私の今の彼氏でもあり幼馴染でもある。そんな関係を作り上げて行くには長い月日を必要とした。

容姿は端麗で成績は優秀、運動神経も抜群でとにかくモテる。そんな完璧超人な彼と付き合ったのはつい先日。

告白は向こうからだった。
突然、付き合って欲しい、と言われて反射的に頷いてしまった。

でも尽八のことは好きだ。というか昔から大好きだ。私は昔から大好きだったけど、私なんかじゃ彼と釣り合わないと思って告白がしたくとも出来ずにいた。

それに彼の周りには女の子達がたくさんいる。私なんかより可愛い子も多い。それに気後れしてしまって告白はしないようにした。当たって砕けるぐらいなら幼馴染という気楽に付き合える間柄がいい、と自分に言い聞かせた。

もう一度言うが、私が彼の恋人なのだが、ファンクラブがあるせいで公に言えない為に彼の周りの女の子達は消えなかった。彼も性分のためかいつもどおりにその子達と話す。

私がどう思っているのか知らないんだろうなぁ。

「東堂様〜!一緒に帰りませんか?」
「すまない、俺は名前と二人で帰るのでな」
「いっつもいっつもどうしてなんですか〜!?」

鬱陶しいくらいに食いついてくる彼女達に嫌な顔一つせず対応する尽八の苦労さが目に見える。


「俺の大事な恋人だからに決まっているだろう」


これまたさも当然のように言ってのける尽八に周りの誰も彼もが唖然とした。私までもが顔を赤く染め上げ彼を見ていた。

「ん?どうした帰るぞ名前。それでは皆も気をつけて帰ってくれよ」
「は、はい……」

未だ呆然と立ち尽くしている彼女達をおいて歩き始めた尽八。予想もしない展開に静かに口を緩ました。暫く歩いて先ほど言われた言葉を思い出すと二やけが止まらなくて下を向いていると

「どうしたのだ、名前」

きょとんと話しかけてきたので、真っ正面から獅子の如く衝突して抱きしめた。

「尽八…、ごめん嬉しすぎた」
「俺は正直に言ったまでだ!ハッハッハ」

あぁ、付き合ってきて良かった…!尽八を好きになって良かった。諦めなくて良かった…!としみじみ思った。

「お前が笑顔になると俺までつられて笑ってしまうな」

小さい頃から私の笑顔は魔法のようだと彼は言った。

単語
甘甘、笑顔