ぽかぽか陽気は眠気を誘う



「ちょっとくすぐったいよ……」
「う〜ん名前〜、………眠い」

私の部屋のベットに座ったところ、私の恋人の徹は私の肩に寄り掛かって寝ようとする。それがとてもくすぐったくって嫌だと言ったのだが、徹は眠いと言って今にも眠り込んでしまいそうだ。

嫌ではないけど、やはり男女の体格差は埋められず、少しばかり重い。彼なりに気を使ってあまり体重をかけないようにはしてくれてるんだろうけど、それでも重いものは重い。

「徹……?」
 
あ、困った……。どうしよう…。

「すぅ……すぅ……」

とうとう徹は私に寄りかかりながら寝てしまった。5月はとても過ごしやすい気候なので、眠くなりやすいのだろうけど。それに普段は部活で忙しいから、こうして月曜日にしか休息日がないと言うこともあって、なかなか休めないだろうし。仕方がないから今だけは寝かせてあげようかな。

彼は寝息を立てて、気持ちよさそうに寝ている。それがとてもむず痒かった。まつ毛が長いなぁ、なんていかにも普通の感想しか出てこなかった。

「ふぅ」
 
徹と出会って何度溜息をこぼしただろうか?嫌な溜息じゃなく。呆れた溜息でもない。疲れてふとつく溜息でもなく。甘く甘く気持ちのいい溜息。嬉しくて嬉しくて堪らない。

「徹ー」

名前を呟いてもその本人は起きることなく、寝ている。今度はまた彼の耳元で名前を囁くが、それでも起きない。想像以上に堅い髪の毛を梳くと、髪の毛は四方八方に散らばった。

しっかし近くで見るとますますイケメンだ。女子がキャーキャー騒ぐのも分かる。

しょうがない、やっぱりこのままもうちょっとだけ寝かせてあげよう。そう思って徹の寝顔を見ながら雑誌に手を伸ばそうとすると、

「名前…」
「ごめん、起こしちゃった?」
「…ううん、それよりさ、…もっと撫でてよ」

予想もしなかった要望に頬は緩むばかりだ。可愛い奴め。

「俺、名前に撫でてもらったらもっと気持ちよく寝られそうなんだよねー」

再び目を伏せながら言った徹がいつもの何十倍も子供に見えて、知らぬ間に喜んでいる私がいた。今日はなんて素直なんでしょう。私は体勢をちょっと変えて、より徹と距離を近づけた。

「うん、仰せのままに」

そうして徹の頭を撫でること15分、いつの間にか私は徹と寄り添いながら寝ていた。お昼寝もたまにはいいかも…。こんな幸せがいつまでも続けばいいなぁ。


単語
甘え、お昼寝