/確かめたい不安/
長い間会えないのは辛い。
でも電話の時は何を話していいか分からないし、照れくさい。
だから中々電話を出来ずにいる。夏休みまではあと4ヶ月。遠い。
会いたいのに、遠い。
触れたいのに、遠い。
距離が全てを物語っている。
『えっと"今日は大きいカモシカを見つけました"っと』
しょうもない事を日記のように書き連ねて京治君に送信する。帰ってくる返事は素っ気ないものだけど、返事が来るからまだいい方だ。
あれ、もしかして飽きられてる…?
「名前ちゃん、春休みに東京の彼氏に会いに行かないの?」
『え、え、ええ?か、彼氏!?』
「動揺分かりやす!」
まさか友達からそんなことを言われるなんて。確かに会いに行きたいけど、遠出といいますかなんといいますか。お母さんが許可してくれるか分からない。
『だ、だ、大丈夫だよ、メールしてるし、夏休みには会えるし!』
「いつもメールしてるの?」
『ううん、毎日じゃない。でも…、ちょっとはしてる』
そういえば京治君からメール来たことないなぁ。送るのはいつも私ばかり。色々考えたら、心配な要素がたくさんだ。
「名前ちゃん、悪いことは言わない、その東京の彼氏、絶対他にも女いるって」
『…えぇ!?』
そういう事を言われれば不安になるからやめてほしい。それでも私は京治君の事を信じてる。あの星空の下で約束したもの。
『大丈夫、…京治君の事信じてるから』
「ヒュ〜、健気だねぇ。ごめん、何も知らないのに口出して」
『ううん、いいんだよ。遠距離恋愛だし、そう思われちゃっても無理はないよ』
余裕ぶってみるけど……、心底心配になった。知らない間に顔のあちらこちらを触って、不可解な行動をしていた。ほ、本当だったらどうしよう。
信じてるとは言ったけど、東京でどんな誘惑があるか分からない。可愛い子はいっぱいいるだろうし、これは私の勝手な偏見だがセクシーな誘惑が多そう。ああいうクールな性格をしているから、一部のファンにモテてそうだし、告白だって何度もされているだろう。
私より可愛い子が京治君に告白なんかしちゃって…わぁーーーー!
『………ハァ』
「名前ちゃーーん。…大丈夫?」
いつの間にか意識が遠のいていたところに、友達に話しかけられる。そこでようやく意識を取り戻したのだ。
『…やっぱり心配だよー!』
「ハハ、やっぱりね。」
友人が私をあやすように背中をさすった。さすが姉御肌な友人だ。
「会いに行けばいいじゃん」
『な、何を言ってるの!?』
「だーから、その彼氏に会いに行けばいいじゃん。春休みにさ、部活入ってないじゃん」
『…うん?』
いまいちこのアホの脳には入り込んでこない。全然ダメダメか!
『…会いに行くって、会いに行くって!?そ、そんな!!』
「その目で確かめてきたら?」
その言葉が思ったよりも私の中にすんなり入ってきた。そうか、不安なら会いに行けばいいんだ。迷って、悩むなんて今までの私らしくないじゃない。
その日から、東京へ行こう計画が始まった。