幸せで胸いっぱい
昼休みが終わった後は体育の授業だ。
運動が苦手な私にとっては憂鬱でしかない。ちなみに今は私が最も嫌いとする陸上の授業。更に外での授業は暑いからもっと苦手。体が怠くて動かない。
しかも何だか今日はとても体調が悪い。頭が重くて、なんだかクラクラする。
これは保健室に行って休んだ方がいい気がする。
「名前〜、行こーー」
更衣室で頭痛と葛藤していると私を呼ぶ友達の声が聞こえた。
『ごめん、保健室に行ってくるね。」
「えっ、大丈夫?」
『うん、何とか。』
「そっか。お大事にね!あ、先生に言っておく」
『ほんと?ありがと!』
友達の優しさに甘えて気軽に保健室に行くことができた。保健室の先生に事情を伝えるとすんなりベットを貸してくれた。
しばらく目を瞑って虚ろになっていると、躊躇なくカーテンが開かれた。…誰だろうか。しばらくカーテンの中に囲まれていたせいで、外の明かりが少し眩しい。
「なんだ、…誰か寝てるじゃんー。」
どうやらサボりに来た生徒のようだ。今度は素早くカーテンが閉じられた。
この様子だと、いつの間にか保健の先生は何処かに行ってしまっていたらしい。
どうせならもうちょっと寝ようかな…?
とまたウツラウツラしていると再びカーテンが開かれた。今度こそは保健室の先生かな?
「名前、大丈夫っスか?」
『りょ、涼太君…!』
「シーーーっ」
涼太君が私の唇に人差し指を当てた。私は言う通りに声のボリュームを小さくした。
『ごめん…今何時…?』
「今放課後っス。えっと…3時半くらいっスかね」
とすると、私は2時間近く寝ていたことになる。そんなにいっぱい寝るつもりはなかったんだけどなぁー。と思い耽ていると、涼太君が優しく抱きしめてきた。
「それより、具合はどうっスか?」
『少し寝たら良くなったよ』
「そっか…。それじゃあ俺今から部活行ってくるから」
涼太君はそう言って綺麗に笑った。そして一度体を離して、私は涼太君と触れ合うだけの口づけをした。唇を離してから、もう一度私を抱き締めなおして、あやすようにぽんぽんと軽く背中を叩いてくれた。
涼太君が保健室を出ていった後、幸せで胸が暖かくなった。