私は、明確に嫌いになったエピソードがあるわけではないが、小さい頃から男の人が苦手だった。特に年上の人は少し怖く感じていた。同い年だと少しはマシにはなるが、苦手な対象という点においては変わりはなかった。

私は、小学校、中学校ではなるべく男子を避けて生活してきた。それでも十分生活できていた。

そして、今。

周りを見渡せば男子、男子、男子だ。

野郎共に囲まれてムラムラしねぇだとか、あぁヤりてぇだとか、そう言うお下劣な会話が教室内を飛び交っている。少数の女子が近くにいるにも関わらず、だ。その少数の女子である名前は、耳を塞ぎたい気分だった。

しかしここで耳を塞いでも、あー、名前ちゃん顔真っ赤だよー?どうしたの?とニヤニヤしながら話しかける男子がいるので変にアクションはできない。

『(……帰りたい、帰りたい…!帰りたい!)』

"男"という生物が得意な方ではないので、話しかけられれば緊張するし、目を逸らそうとする。

そもそも何故私がこの伊達工業高校に入ったかと言うと、免疫を高めたいと言うのはもちろん、家が近かった。ただそれだけだ。青城とも悩んだけど、家は近い方がいいなぁという平和ボケした頭で進学を選んだ。それに自分がしたいことがここでできると事前の調査で分かったので、それも手伝って、伊達工業高校を選んだのだ。

今考えればその選択は人生で最大級の失敗だったと思う。

伊達工業に入学したと思えば、男子30人に対して女子はクラスに7人。その少数の女子と仲良くしながら過ごしていくまでは良かった、のに。悍ましい男子が近くにいるという恐怖が常に私を緊張させていた。

会話がエグい。脳が常にエロい。平気で下ネタを発する。女子がいるのに目の前で着替えようとする。こんな自由奔放な姿を間近で見たことがなかったため、常に緊張の日々だった。

それは男の性だったりするけど、そうでないものもたくさん存在する。もっと女子に気を使ってくれると思っていたんだけど、そもそもそれが間違いだったみたい。

これから卒業まで、どうしろというんだ。なんとか一年生を乗り切ることができたが、これから先が安全な暮らしかどうかなんて分からない。

男子と話さずに場を乗り越えられる方法があれば、実践したいものだ。
そんなの無理だよねぇ…!

ど、ど、ど、どうしよう。

私は確信した。
いつかは緊張と嫌気のあまり失神して倒れると。

せっかく高校に入学させてくれたお父さん、お母さん、ごめんなさい。

私やっぱり男の人は苦手です。

-苦手なんです

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