その人は誰?
優は街中を歩いていると、偶然近くに清田がいるのを見つける。
「おー、優!久しぶりだな」
久しぶりの再会に、優も挨拶する。
どうやら、他校との練習試合でたまたまこちらに来ているとのこと。
二人で近くのベンチに座り、ちょっとした近況を話していると……
視界の端に、笑顔で話す水戸くんの姿が入る。
しかも隣には、女の子が楽しそうに寄り添って歩いている。
「あの距離感……絶対彼女だ……!」
思わず胸がキュッと痛む。
(……あれ?ショック……?)
自分の気持ちに戸惑いながら、優は心の中で小さく呟く。
私、洋平くんのこと……好きなんだな……そして失恋かも……
一方、水戸は普段通りの表情で女の子と話しているつもりだった。
優の存在に気づいた瞬間、優と目が合う。
――その一瞬、優は目を逸らしてしまう。
水戸は一瞬戸惑うが、すぐに冷静を装う。
(……なんで目そらすんだ?)
でも、その理由は分からない。
自分の横には女の子がいる――
その答えにたどり着くのは、優たちの姿が見えなくなった後だった。
「マズい、勘違いされたか……?」
水戸の胸に、普段はあまり出さない焦りと、少しだけ独占欲が芽生える。
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