放課後の並び道


校庭の片隅で、花道がひたすらドリブルの練習を続けていた。
「そこ、腕の位置もっとこう……!」
思わず手を伸ばし、ドリブルのフォームを直してあげる優。

「おお!すごいな、優サン!」
花道が笑顔で感謝する。真っ直ぐな目で見つめられると、優は嬉しくなった。

横では洋平が腕組みして見守っていた。

放課後。校門を出ると、偶然帰り道が同じになった。
歩幅を合わせて並ぶ沈黙は、ぎこちなくも、どこか居心地が良かった。

「……バスケ、やっぱ好きなんだろ?」
不意に洋平が訊ねる。

「……もうやらないけどね」
小さく返す声に、洋平は軽く鼻で笑った。

「バスケやんねぇの、俺的にはちょっと助かるけどな」
意味深にニヤリと笑う洋平の横顔に、優は自然と頬が赤くなる。
深くは聞かず、ただこうして並んで歩いてくれる。
その距離感が、何より嬉しかった。

夕暮れの影が二人の足元に伸び、少しだけ重なって揺れていた。
目次

3939.

*前次#
ページ: