気づいた時には恋の中
まだ校舎が薄暗い早朝、グラウンドでは朝練の準備が始まろうとしていた。なまえが荷物を整理していると、降谷がそっと近づいてくる。
「……先輩、あの……連絡先、教えてください」
その声に、なまえは一瞬ハッとする。真剣な表情の降谷に、胸の奥が熱くなる。
「うん、いいよ」
スマホを差し出すと、降谷はすぐに自分の番号を入力して、少し俯きながら目を合わせる。
「……昨日、言いたかったんです。おやすみなさいって……先輩に」
ぽつりとつぶやかれたその言葉に、なまえの顔は自然と赤くなる。
普段無口でクールな降谷が、こんなに素直に気持ちを伝えてくれるなんて……。
「……あ、ありがとう。嬉しい」
なまえが少し照れ笑いすると、降谷はほんの少し微笑んで頷く。
朝の冷たい空気の中でも、二人の間にはじんわり暖かいものが流れる。
「これからも……よろしくお願いします」
短くても力強いその言葉に、なまえは胸の奥がじんじん熱くなるのを感じた。
こんなに初々しく、そして真剣な降谷の姿に、自然と頬が緩む。
朝日が差し込むグラウンドで、二人の甘くて少しドキドキする新しい一日が始まった。