三日目_A

 その日の夜。
 清心の花を氷水に入れたものを杯で飲んでいる魈さんの腕の中で、お前も飲めとたまに飲まされているが全く私の気持ちは落ち着いていなかった。だってこれ間接キス……というのはあまりに今更かも知れないが、そういう事ではなく。
 今日は三日目。つまり、魈さんの性器も触っていい。
 ということはいつもされてばかりの私でも今日からは魈さんにしてあげられるということ! 昨日は流されてしまったが、本当だったら魈さんの胸も触ったり舐めたりしたかったのだ。それに攻める方が理性を保つのは簡単そうだし。寝室を開け放って洞天の大きな月を眺める魈さんに、胸のドキドキがバレないようにそっと話しかける。
「魈さん、あの今日は……」
「なんだ」
「今日は、えーっと……今日からお互いのを触っても良くなるので、今日の時間は私にさせてくれませんか?」
「……構わん」
「ありがとうございます……!」
 まさかのあっさり了承。ほんとうに魈さんは優しいなあ。先ほどまで飲んでいた杯を床に置いて、触れるだけのキスをされる。そのまま角度を変えて深くなりそうだったので、今日は私からも攻めるんだから! と意気込んで魈さんの唇を私からぺろりと舐めると宥めるように魈さんの舌が私の舌に絡んできて、まだキスしかしてないのにお腹の奥がきゅんとしてしまった。大きすぎる月が風に揺れる草木を照らす洞天の夜は少し肌寒くて、魈さんに抱きしめられているとぬくもりを感じて心地いい。
「魈さんはどうすれば感じてくれますか?」
「…………」
「あ、じゃあ昨日触れなかったので胸とか……触ってもいい、ですか?」
「……好きにしろ」
 ありがとうございます、と言いながらとりあえず魈さんの薄い唇にキスを落とす。魈さんが動きの合間合間にキスしてくれると、私の気持ちがその度に魈さんに持っていかれて好きが募るから、魈さんもそうなってくれないかな。以前教わった魈服の脱がせ方に則って、いそいそと魈さんを暴いていく。今気付いたけど、私といる時は装飾品を外してくれてるみたいだ。どこまでも気が回る人だなあ。
 昨日の私と同じように服をたくしあげて、露わになった魈さんの鍛え抜かれた身体に触れる。まじまじとこんなに近くで見るのは初めてで、なんだかこっちが恥ずかしい。
 月明かりの薄い光でもしっかり溝に影が落ちて、男の人の身体だ……。まだ流石にたってない小さな乳首にツン、と触れると魈さんの身体が少しだけ反応した気がした。ええと、どうすればいいんだっけ……?いきなり触っちゃったけど嫌じゃなかったかな。 
 男の人の身体を好き勝手するのは初めてでどうしても辿々しくなってしまう。とりあえず、昨日魈さんにされたみたいにしようと思ってまだ寝ている乳首を指の腹で撫でながら、もう片方に舌を這わす。ぺろぺろと舌先で舐めていると、少しだけ立ってきたので口に含んで唾液をいっぱい絡める。指だけの方が寂しくないように、爪で軽く引っ掻くと我慢ならなかったのか魈さんに腕を掴まれて動きを止められた。
「お前も脱げ」
「へ?」
 私が返事をする前にするすると魈さんによって服を脱がされる。なんで私も? と反論しようとするも熱い舌で早急に唇を塞がれて口内を荒らされて反抗できない。魈さんの唾液と一緒に仙気も流れ込んできて、体中の力が抜ける。これじゃあ愛撫できない、と思ったのも束の間、口を離される前にいつの間に下を寛げたのか魈さんの半勃ちのそれに太ももが当たって反射で身体が反応してしまう。キスから解放される頃にはすっかり全部を脱がされていて、仙気でふわふわしているところに「今日はお前がするんだろう」と魈さんが興奮した顔つきで目を合わせてくるものだから、背中を叩かれたみたいにぴしゃりと動かざるを得なかった。
「ぁ、じゃあ……舐めても、いいです、か」
「………、あまり奥まで咥え込むと止める」
「善処します……」

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