03
俯いてため息をつけば千歳が顔を覗いてくる、生憎私は身長が中学三年生女子の平均より高い170センチのため千歳がでかくても軽々と顔を見られてしまった
きっと酷い顔をしていたんだろう、目を見開かれて驚いている
「ば!? どげんしたね?」
「何言ってるかわかんないけど私はどうもしないよ」
「はあ、それならよかー」
私がなんでもないと顔を上げれば千歳はほっと一息ついて顔をほころばせた、図体でかいくせに可愛いと思ってしまったのはここだけの話
結構話し込んでしまったな、そう思い携帯を取り出せばもう二時間目は始まっていた、仕方ないどこかで時間をつぶして三時間目から出るかな
「携帯ば見てどぎゃん?」
「え、あー、もう二時間目始まってるよ」
「そぎゃんこつね」
「千歳は学校行かないの?」
千歳とぶつかったこの丁字路は、千歳が来た方向に学校があるからその方向から来た彼は学校から遠ざかっていることになる
私が問えば千歳は愚問といいたそうに、行かん、と言いのけた、おいおいそれで大丈夫なのか、と私も人のことを言える立場ではないけれど思ってしまった
ニコニコと笑う千歳、忘れかけていたけれどそろそろ手を離して欲しい、繋がれた手に目を配るとそれに気づいた千歳が手に力を入れた
「手、離してよ」
「やだ」
「でっかい子供」
「ばってんまだ子供やけん」
初めて会って初めて会話しているのに話しやすくてなぜか心地よかった、それから断固として離す気配の無い千歳がどこかに歩いて行く、手が繋がっているので必然的に私は千歳に付いてく形になった
しばらく歩いてい着いた場所は誰もいない公園だった、まあ午前中だしあまり遊具が無いので人がいないのも頷ける
ただ緑が多いのは良いと思う、芝生とか寝転がったら気持ちよさそうだ、そう思っていたら千歳はその芝生に寝転がった
まあ手を離してくれなかったから必然的に私は千歳の胸に飛びこんでしまった
あ、なんかジブリのワンシーンっぽい、私メイちゃんな気分
「うあっ」
「日差しが暖かかー」
「うん……、ぬくいべさ」
ぼそりと、思わず故郷の方言が出てしまったがそんなの気にならなかった、今は千歳と太陽の日差しが暖かくて、眠い
すっぽりと私を抱きしめる千歳を見上げれば目を瞑っていて、寝てしまっているようだ
ほんの短い時間だったけどいろんなことがあった、なぜか千歳と出会って、少し話して、公園に連れられてこうして抱きしめられている
まさかの展開に私の頭はもちろん付いていかない、というか考えるのも面倒くさい、前々から話してみたかったしちょうど良かったのかも
私も寝よう、そう思って目を瞑ればすぐに眠気が襲ってきたのですぐに眠りに付けた、あれだけ寝たのにね
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