07

 白石の言葉を聞いた千歳は私と白石が知り合いだなんて知らなかったらしくたいそう驚いている

「白石、名字んこつ知っとるど?」
「知ってるも何も名前とは同じクラスやし」
「千歳、白石と私は友達だよ」

 そう言ってやれば千歳は納得が言ったように頷いて、次は顔をしかめた、忙しい奴だな
 白石と友達なんかー、と大きな声を出す男の子は遠山金太郎と言うらしい、私も軽く自己紹介をして、ついでにカバンに入っていた飴玉をあげれば金ちゃんに懐かれた、餌付けしているみたいだ
 しかめっ面の千歳は私と白石を交互に見て、考え事をして、を数回繰り返してようやく声を出した

「何で白石は名字んこつば名前で呼んどう?」
「せやから友達や言うてるやろ、それより千歳、はよ着替えて部活しいや」
「あ、ああ、わかったばい」
「あ、白石、私も何か手伝おうか?」
「ああ、すまんな、助かるわ」

 放心状態の千歳を置いて私は白石に手伝う意思を伝える、無断で入ってきたんだし何か手伝えることがあるならば手伝おうと思う
どうせ今から帰っても暇だし、テニスの基本的なルールとかスコア付けとかはテニスをやっている従兄弟に教わったことがあるから大体は出来ると思う
 大体全国に行くような強豪校のテニス部なのにマネージャーの一人もいないなんて何かと苦労するだろう
 前に白石がマネージャーは全員が全員、部員目当てだから入ってもすぐ辞めていくって愚痴っていたのを覚えている
 四天宝寺の聖書って呼ばれる白石が愚痴を言うなんて他の生徒は信じられないだろうけどなぜか白石は私にだけは愚痴をこぼす、それだけ信頼できる友だと思っていてくれるからだろう
サボっていたときのノートとか、私も何かと白石に助けられているのでこういうときに恩返しをしておかないと、白石に借りを作るのは嫌だ、なんかむかつくから

「確か名前はスコア付けできるんやったな」
「うん、一応ね」
「んじゃ、今試合形式で練習やるからスコアつけてんか、あと試合終わった奴らにタオルとドリンク渡してほしんやけど」
「うん、わかった、スコアとタオルとドリンクね」
「あー、ほんま助かるわ、ドリンクはクーラーボックスん中で、タオルはベンチんことやから」
「はいはーい、部長さんも大変だね」

 白石からスコア表を受け取りベンチに座れば試合が始まる、石田くんと忍足の試合だ、忍足は同じクラスで比較的仲がいいけど石田くんはクラスが違うからあんまり話したことがないな
 試合は石田くんのサーブから、試合を見ながらカバンからルーズリーフを取り出しメモを取る、もちろんスコア付けも忘れない



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