08
試合は6−4で石田くんの勝ち、二人にタオルとドリンクを手渡せばお礼を言われた
「石田くん、忍足、お疲れ様」
「名字さん、おおきに」
「くそー、負けた!」
「忍足は体力配分がいい加減すぎるよ」
「名前に言われてもうたな、謙也」
「うっさいわ白石!」
忍足や白石は仲がいいから部外者の私にも気さくに話しかけてくれる、他の人は今までのマネージャーのことがあってか、私がミス四天宝寺だからとか、そういう理由で警戒しているんだと思う
私としては千歳や金ちゃんみたいに接してくれればいいのに、名簿を見て二人ともレギュラーだったのを知ったときは驚いた
私を見ていた部員たちに笑いかければ顔を赤くして背けられた、一体なんなんだ、シャイボーイかよお前ら
次の試合は千歳と金ちゃんみたいで、金ちゃんはやる気十分で見とってやー、と手を振られたので振り返しといった
ユニフォーム姿の千歳は先ほどと同じしかめっ面のまま私を見つめていた
「千歳もしっかりね!」
「! がまだすばい!」
私が声をかけてやれば途端に元気になった、やっぱり忙しい奴、そして相変わらず熊本弁はよく分からない
審判役の白石の掛け声で試合が始まる、私も慌てて新しいルーズリーフを取り出す
スコアを取りながら選手の特徴をメモしていく、これは私の癖みたいなもので人を見てると自然とその人のことを分析してしまう
この悪い癖を早く直したいものだ、そう思いつつもペンは止まらない
千歳の右目はあまり見えていないのがわかってしまった、これは今気付いたのではなく会ったときから思っていた
左利きというのもあるだろうけど千歳は私を右側に立たせなかったし、右側に気を使っているのが終始気になっていた、今もそうだ、右側のボールには反応が遅い
本人は気付いていないだろうが私はこういうのを見る目だけはあるらしく、人の弱点などを見抜いてしまうらしい、従兄弟曰わく
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