ふたりのおつかい
起きたら辺りが明るくて時計を確認したくて居間に行けばなんとびっくり、私の身体がヒロトに襲われているではないか
中身が晴矢とはいえ見た目は私だ、ノーブラTシャツで短パンを穿いている女がいたら襲いたくなるのが男の性なのだろう
とりあえずヒロトを殴って泣きついてきた晴矢を落ち着かせつつ事情を全て聞く
「なん、だと……?」
「な、ヒロトまじ最低だろ?」
「丸一日寝ていただと……!」
「そっちかよ!」
そっちかよと言われても今の私にとってはそちらの方が重要なのだ、なぜならば買い物があるからだ
ちょうど生活用品の買い足しと一週間分買い溜めた食材はほぼ無い状態なので買い物に行きたかったのに一日を寝て潰してしまった
土曜日にチラシを見て安売りがあれば行く予定だったのに、なんて所帯じみたことを考えているとふとテーブルの上の新聞が視界に入ったのでその中に折り込まれているチラシを手にとる
日曜日、朝限定、午後から安い、そんな言葉が飛びかう数枚のチラシを握り締め、未だ私の腰に抱きつく晴矢に声をかける
「晴矢、風介起こして私の部屋に来て」
「は……?」
「買い物行くよ!」
それだけ残して私はそそくさと部屋を出て自宅へ、ちなみにヒロトはまだ伸びたままだ
とりあえずクローゼットから適当な服を取り出し着替える、もちろん晴矢の服だ
着替え終わったら次は晴矢に着せる私の服を漁る、適当にタンクトップに肩出しのカットソーにデニムの短パン、黒のニーソでいいや、あと下着も用意して完璧
用意したところにタイミングよく晴矢が風介をつれて入ってきたので服を押し付けて寝室に押しこむ、風介は眠たそうにソファーに座った
「私はなぜ連れてこられたのだ」
「買い物付き合って」
「……仕方ない、名前の頼みだ、断ることは出来まい」
「ありがと」
会話をしながらも今日の特売品のチェックをしていると寝室から私を呼ぶ声が聞こえた
「名前ー」
「何? 着替え終わったの?」
「……ブラの付け方わかんねえ」
もじもじと顔だけ覗かせた晴矢にくすりと笑いをこぼして寝室に入る、上半身裸でブラジャーとにらめっこしている晴矢
ささっと着けるのを手伝ってあげて、後は出来るでしょ、と居間に戻ってチラシのチェックを続けた、あ、トイレットペーパーが午後から安い
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