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「えっと、気持ちは嬉しいけどごめんなさい」

 放課後空き教室に来てください、そう言われたので紺子ちゃんに部活に遅れると言伝をしてから空き教室に行けば案の定告白というものをされた
 私は今、やっと部に昇進したサッカー部で忙しいし、何より士郎がいる、だからやんわりと断りを入れれば男の子は残念そうに頭を下げた、早く部室に行かなくちゃ

 急いで部室に行けば知らない人たちがいて、良く見ると今話題になっている雷門中に人たちだ、こんな弱小チームに何の用だろう
 綺麗な人っスー、と言う言葉が聞こえたが気にしないでおこう、士郎を見やれば一人の女性と対峙していた
 髪の長いその女性に見覚えがあった、昔私がお世話になっていた施設の所長の娘さんに似ていた、というより本人だろう
 私は記憶力には自信がある上にお世話になった人の顔を忘れるなんてことは決してしない、だからこの人は瞳子さんだ

「初めまして、あなたが基山名前さんね、雷門イレブンの監督、吉良瞳子です」
「!」

 刹那衝撃が走った、瞳子さんは私の知っている瞳子さんだったのに初対面かのような挨拶をされて私は思わず肩を揺らしてしまった
 まあ、お世話になったといってももう何年も前のことだし会ったのも年に数えるほどだったから忘れるのも無理ないか
 ふう、と息を吐いて潤む瞳を隠すように下を向いた、ちょっと寂しいな

「名前? どうしたの?」
「あ……、大丈夫、ちょっと昔お世話になった人に似てたから驚いちゃっただけ」

 士郎に顔を覗き込まれてようやっと顔を上げることが出来た、みんな驚いてる、瞳子さんも目を丸くしている、平常心平常心

「はい、私が基山名前です、雷門サッカー部がうちのような弱小チームに何の用ですか?」



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