03
どうやら瞳子さんは僕と名前に話があるらしく、とりあえず外に出ることになった
名前と手をつないで階段を降りる途中、名前に気になっていたことを聞いてみた
「名前さ、呼び出されたんだって?」
「あー、そのことか、うんそうだよ、告白されちゃった」
「こ、断ったの……?」
「もちろん」
その言葉を聴いて僕は安堵した、これからも名前と一緒に居られる、いつか絶対名前を僕のものにするんだ
心配性ね、と笑う名前に僕も釣られて笑おうとした瞬間、雪のなだれる音が響く、怖い
一瞬ですべてを奪っていったそれが怖くてたまらない、思わず名前の手を強く握ってしゃがみこめば名前は僕を抱きしめてくれた
「士郎、大丈夫だよ、雪崩じゃない、屋根の雪が落ちてきただけ、だから安心して……」
名前の言葉が僕を落ち着かせてくれる、まるで魔法のようだ
ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着かせれば心配そうに僕を見る名前と目が合った
もう大丈夫だよ、そういった意味を込めて笑えば名前もほっとしたのか顔を綻ばせた
それから名前は僕をフォローするように、なんでもないよ、とみんなに笑いかけていた
その後僕と名前と監督さん、キャプテンに眼鏡の女の子の五人、鎌倉の中で事情を聞く
「単刀直入に言うわ、吹雪君、基山さん、我々はあなたたちをスカウトにきました」
なんでも今話題になっているエイリア学園と戦うために僕と名前をスカウトしに来たらしい
そしてこの白恋中もいつ襲われるか分からないと、僕たちの学校の危機を言われているにも関わらず、僕も名前も呑気に七輪の上に餅を置いていた
名前が海苔を切りながら口を開く
「大丈夫ですよ、うちは部になりたての弱小チームなんですから」
「白恋中だけの問題ではないわ、これ以上エイリア学園の勝手にさせるわけにはいかない」
「そうですか……」
僕はスカウトに応じても良いと思ってる、問題なのは名前だ、名前は十分強いのにそれほど強くないと思い込んでるから応じるかどうかが不安だ
それにキャラバンに乗るということは北海道から離れるということで、つまり、おばさんとおじさんの下から離れなくてはいけなくなるのだ
名前は育ての親であるおじさんとおばさんをすごく大切にしているから、ここを離れるのを快く思っていないと思う
名前が海苔を切る手を止めて僕を見た、眉を寄せて上目遣いで僕を見るこの表情は困っているときの顔だ
「士郎は応じるの?」
「うん、そのつもりだよ」
「そっか……、じゃあ、私もいいですよ」
正直驚いた、名前が応じるとは思わなかったから、こんなにあっさり了承してしまうなんて
「でも瞳子さん、私すごく弱いですよ?」
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