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 照美は足の怪我を治療するために入院することになった、僕は毎日通いつめた、日本にある照美の部屋の鍵を預かっていたので照美に会えないときはそこでずっと照美の怪我が治るよう神に祈ってた
 天使にも悪魔にも人間にも成れなかった僕が神に祈りを捧げるなんて滑稽な話だ、だって神様は照美のことなのだから、照美に祈っても照美の怪我を治すのは時間だけなのに
 僕の能力がこんな羽や炎なんかじゃなくて照美の足の怪我を治す能力だったら良いのに、そう思っても能力が変わるはずもなく、僕は一人照美のベッドにすがって眠りに付いた、照美に匂いだけが僕を落ち着かせてくれる唯一のものだった

 照美の足がだいぶ良くなってあと少しもすれば退院できる日になって、面会が出来る時間ちょうどに病室に行けば照美はテレビをつけていて、そこでは円堂たちがかつての仲間だったという奴らと戦っていた、円堂なんて負ければ良いのに
 そんな僕の願いもむなしく円堂はたった一言の単純な言葉で奴らを洗脳しその試合に勝ってみせた、照美は円堂くんらしいやと笑っていたが僕はやっぱり円堂が嫌いだ

 照美がやっと退院してから二ヶ月程がたったある日、いつものように照美の部屋で羽を伸ばしていた僕に照美は言った

「一緒に韓国に行こう」

 照美は韓国で生まれしばらくしてから日本に来たのだと知っていた僕は照美が行きたいのであればどこへでも付いていくと決めていたのでただ頷くだけだった
 どうやら少年サッカーの世界大会が開かれるらしく照美は母国の選手として韓国に戻るらしい、僕は照美がいなければ日本なんて意味を成さない場所に過ぎないので未練なんてものはなかった
 照美が言うにはバーンとガゼルをスカウトするらしい、僕は別に構わなかった、照美がしたいことは僕もしたい、だから照美が事前に二人に連絡をしていたのので空港で待っていれば荷物を持った二人組が現れた

「よおアフロディ、それに名前」
「名前はずっとアフロディと共にいたのだったね」
「二人とも着てくれて嬉しいよ、さ、あと三十分もすれば搭乗時間だよ」

 照美に促され荷物を預けに行った二人を尻目に、人の多さに嫌気が指して照美に抱きつけば優しく頭を撫でられる、気持ちいい
 二人が戻ってきて僕と積もる話をしたいらしいが僕には話すことなんぞ何もない、照美に抱きついたまま二人を一瞥してため息を漏らせばバーンが怒った

「おい久々に会ってため息ってどういうことだよ!」
「……バーンうるさい」
「大体もうバーンって呼ぶな」

 そういわれても僕はバーンとガゼル以外の呼び名を知らない、そう言えば二人はあからさまに落ち込んだ、僕の世界には照美しかいないのだから仕方ないじゃないか
 落ち込んでいる二人をよそに、照美が二人の本名を教えてくれたのでとりあえず覚えておくことにした

 韓国代表のチームに合流した照美は晴矢たちと共に僕を紹介したが僕はマネージャーなんぞ面倒くさいものは一切やらない、ただそれだけを伝えて照美の後ろに隠れた
 このチームのキャプテンは照美ではないらしい、何で、照美は強いのに、晴矢たちも強い、きっと円堂たちには手加減をしていたのだと思う
 このチームのキャプテンだというチェ・チャンスウという男は何を考えているのかよく分からない奴だった、でも照美が信頼しているので僕も一応会ったら挨拶だけはするようにしている
 それとこのチームの人たちはみんな背が高い、見下されているようで若干嫌だ



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