蓮華 ─ れんげ ─

「どれだけ仮面をかぶっても、どれだけ自分を偽っても。本質は変わらない。きっと、私はいつかこの好奇心に負けて自分の命を落とすわよ」
「あ、煙草吸ってるの見つかっちゃった。みんなには内緒よ。イメージが崩れちゃうから」


■基礎情報
種族:テッカニン
特性:かそく
性格:おっとり
性別:女
年齢:享年28歳
身長:158cm

一人称:私
二人称:貴方

■背景
 人間とポケモンの戦争の苛烈さが増すにつれ、非力な人間たちが劣勢となった。そこで人間たちは量産に優れたむしタイプに目をつけた。だが、むしタイプは数が多くても個々の力は脆く弱い。そこでむしタイプを強化するために設立された研究機関『蟲』。優秀な頭脳を持った幼い蓮華は研究機関に目をつけられ、幼馴染の朝顔・橘と共に捕らえられた。最初は抵抗したものの、協力を拒否すれば戦場に投げられ、脱走をすれば拷問にかけられ。最終的に協力しなければ目の前で幼馴染の2匹を殺すと脅されて研究機関『蟲』の研究員となった。
 終戦後、人生のほとんどを戦争に費やした蓮華が平穏な生活を送れるわけがなく途方に暮れていた。何でも屋『散華』2代目当主に拾われたことは一見不幸な出来事に見えて、実は恵まれたことであった。ハニートラップ拷問職員の治療及びメンテナンス新人教育と複数の役割を担っていた。2代目の命令で椿姫の育て親となり、椿姫を怪物として完成させるための最後の仕上げとして彼女の心を壊すため、自ら椿姫の手によって殺された

■特徴
 戦争に勝つため。死線から生き延びるため。絶望と狂気に心を侵され続けた。そのような状態で研究者として身を投じ、時には戦闘要員として戦場を駆け回っていれば当然精神的に何かしらの欠陥ができるというもの。戦後も我が身を滅ぼすほどの狂気染みた好奇心を身に宿し続けることになった。
 異常な好奇心により何でもかんでも研究材料にしてしまうことも自傷することも困るため、鎮静剤を含んだ刻み煙草を利用した煙管を使用している。鎮静剤が効いている間は朝顔と橘の手綱を握り、母性の溢れる笑顔を浮かべた穏やかな女性でいれた。しかし、最終的には椿姫が怪物として完成する瞬間に立ち合いたいがため、二代目当主の命令を建前として椿姫に殺されることを選んだのだから鎮静剤の効果はお守り程度だったのかもしれない。

■ポケモンバトル
技構成:つるぎのまい・まもる
    つばめがえし・いのちがけ
持ち物:ひかりのこな

■自宅関係
橘・朝顔『初恋と罪悪感と深い愛情を抱いている男の子たち』
「私はね、橘のことも朝顔のことも愛しているの。きっと初恋も2人なの。そう考えるとね、他人から言われる歪んでいるこの関係が幸せなの」
 親のもとで暮らしていた頃から共にいた幼馴染。よく2匹に挟まれて行動をしていた。研究機関『蟲』は蓮華だけを標的としていたのだが、橘と朝顔が蓮華を守るために前にでたせいで一緒に捕まることとなった。自分のせいで戦場に立つことになった橘と朝顔に抱く罪悪感はとても大きく、いつ押し潰されてもおかしくないもので。そんな蓮華の姿を見る度に2匹も愛しい幼馴染と一緒にいるための犠牲としては安いものだから気にしないでほしいのにという気持ちが膨らんでいき。3匹の関係は少しずつ歪なものへとなっていた。
 戦争が終わり、ようやく平和な暮らしができるようになった頃には3匹とも戦争後遺症を抱えており後戻りできなくなっていた。だからこそ、何でも屋『散華』に身を置いて危険と隣り合わせで生き続けることを決めたのだが……それでも戦闘狂と化した幼馴染たちは時折激しい熱を持て余すようになったため、蓮華は受け止めるように3匹で身体を重ねるようなこともしていた。そして、蓮華は密かに思った。もし、この戦争に巻き込まれることなく平穏な暮らしをしていたら自分は橘か朝顔のどちらかとしかこういう関係を持たなかったのだろうか。3匹ずっと一緒にいる日に終わりがきたのだろうか。そう思うと、依存しきったこの関係となれたことは不幸中の幸いなのかもしれない、と。

芙蓉『失ったものを抱えてくれる愛しい個』
「貴方は私の家族として生まれる子だったのかしら。それとも私が落としていった心を守るために生まれたのかしら」
 研究機関『蟲』の研究員として、自身も研究材料にしていた。そして、進化をした。憧れていた進化は思っていたよりも虚しいもので、蓮華は気付いた。戦争に勝つために、そして自分が生き残るために。他人の命も自分の心も殺し続けてきたせいで自分の中には良心も感情もすっかり抜け落ちてしまったということを。けれども、進化した日に現れた不思議な存在は蓮華が落としてしまったものを1つ1つ丁寧に拾い上げ、抱えてくれているような気がした。何も語らず、反応も示さないため実際はどういう存在なのかは蓮華自身も最期まで理解はできなかった。もしかすると、本当は同じ親のもとで産まれる予定の家族だったのかもしれない。そう思うと愛しくてたまらなかった。
 そうして、蓮華は現れたヌケニンを自分がなくしたものを守ってくれる存在として大切にし、『芙蓉』と名付けた。もしも研究機関の者に見つかれば研究材料にされかねないので必死に隠してきた。何でも屋『散華』に移り変わってからは自室に住ませていた。そして、亡くなる前日に残していく松と椿姫のことを託した。

椿姫『好奇心から育てた愛娘』
「忘れないで。私は椿姫のことを本当の娘だと思い、心から愛しているわ」
 2代目より怪物の育成を託された。正確には卵から孵ったばかりの子どもを怪物へ作り上げろという命令を下された。情緒教育を一切行わず、与えられる知識は効率的な生き物の殺し方。それは兵器として十二分な能力を有していた。ここに、育て親として椿姫の心に蓮華の存在を植え付ける。この世で1番愛しい存在、唯一感情を揺らされる存在として確立したその時自らの手で蓮華を殺させる。そして、椿姫の心を完全に怖し、怪物として完成させる。そんな非道極まりない計画を企てる2代目におぞましさを抱いた蓮華であったが、研究者として培われた蓮華の好奇心も異常なもの。自らの手で怪物を作り上げることに興奮がやまず、快諾した。
 研究材料。観察対象。そう思って接してきたのだが、感情を知らぬ椿姫が時折浮かべる控えめなはにかみ。蓮華だけに開かれた心。その姿に絆されるのに時間はかからなかった。蓮華にとって椿姫は一生縁のないものと思っていた子育てを、親心を教えてくれた大切な愛娘だ。当初の目的通り、椿姫の手で蓮華を殺すように誘導をしたのだが、その愛情は偽りのないものだという自信だけは揺るがない。

『唯一の心残りである友人』
「死に対する恐怖はとうの昔に忘れてしまったわ。けれど、寂しがりな松を残していくことが唯一の心残りだわ」
 橘・朝顔との関係は共依存をしたもので、とても歪である。3匹の世界に浸れるそれは心地良く、安心するものだ。戦争に身を投じた結果、歪んでしまった生き方を今更悔いるつもりはない。けれども、蓮華は普通の女の子の生活への憧れを捨てきれずにいた。 そこで見つけたのは自殺願望を抱いて何でも屋『散華』へやってきた松の存在。あの戦争で全てを失い、自分も家族と同じところへ逝くためだけに裏社会に足を踏み入れたわりに捨てきれていない表社会の香り。松と共に行動すれば、少しは普通の女の子としていられるのではないかと淡い期待を抱いた。そんな下心を抱き、蓮華は松を幼馴染3匹グループの輪の中に招いくために手を差し伸べた。
 松は蓮華が思っていた以上に流されやすく、あっという間に裏社会に身も思考も染めた。かつて抱いた蓮華の期待はあっけなく裏切られることになったのだが、寂しがりかつ甘えたがりな松を見ていたらどうでもよくなった。そんなことよりも今にも死にそうな彼を守らねばという使命感の方が強い。橘や朝顔が亡くなったとき、付き合いの長い蓮華よりも酷い取り乱し方をしていた。そんな彼を一人取り残すことに不安は尽きず、ただ一つの未練を残す形になった。

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