「それらしい言い訳を並べて嘆くのは楽しいか?」
「私は国のために命を懸けられるほど立派ではない。ただ、友が頑張っているから支えてやろうと思っているだけだ」
■基礎情報
種族:パチリス
特性:にげあし
性格:ゆうかん
性別:女
年齢:49歳
身長:147cm
一人称:私
二人称:君・貴様
■背景
イフール地方でも名高い狩猟民族に生まれた伝花は物心ついたときから山や森を駆けて狩をしていた。幼い頃から大人顔負けの実力を有していたが、それは年月に比例して伸びていく。身体が成熟してからは存分に身を鍛え、素手で獣を狩れるようになった。成人する頃には国中に名の知れた存在となり、私兵にならないかと声をかけられることが増えた。しかし、伝花はどれだけの金を積まれても国のために命を懸けて戦うなど馬鹿らしいと一蹴してきた。しかし、王都で出会った騎士学校に通う影村にしつこく口説かれ、暑苦しさのあまり「貴様が騎士団を率いるほどの大物になったら下についてやる」と。もしそこまで登り詰めたとしても、そのときには自分への興味は薄れているだろうと高を括って約束してしまった。数年が経ち、影村のことなどすっかり忘れた頃に爽やかな笑顔で迎えに来られた。いつ思い出しても、今でも伝花はこの時の笑顔が一番怖かったと語る。
こうして影村の側近として雇われた伝花。国を良くするため、そして民を幸せにするために他国と争うのならば仕方がないと受け入れよう。世界は弱肉強食なのだから。しかし、現実は違った。王族やら貴族やら、そういった身分が上の利益のため、そしてプライドが争いの引き金になる。その度に人の命を奪わないといけないことが嫌になる。何より国の為にと身を粉にして働き、心を病ませる影村を見ていられなかった。このままでは自分たちは駄目になると思った伝花は国に見限り、影村を連れて出て行った。2匹の名は他国にまで広がっているため、イフール地方にいればいずれ国に連れ戻されるリスクがある。そのような事態を回避するため、セイショウ地方にまで移住した。今はヒダタウンに道場を開いて平和に暮らしている。
■特徴
幼女の頃は足りない力を補うため、少女の頃は男女差を埋めるために。自身の魔力を流し込んで強化する特殊な武器を扱うようになった。大体のものはなんでも扱えるが、中でも相性が良いのは弓。電気を纏って放たれる矢は命中すれば必ず麻痺となり、掠ってもそれなりのダメージを与えるのだから恐ろしい。成熟した頃には素手で戦えるようになり、遠近どちらにでも対応できるようになったのだからもう手の付けようがない。いつだったか、影村がどうしてそこまで強くなれたのかと聞いたら「趣味に興じていただけだ」と。部を極めることを趣味にしているくらいだから戦闘狂だと勘違いされがちだが、争いそのものは好んでいない平和主義だ。だが、殴った方が話がまとまると言われたらすぐに手を出す。
影村に雇われて騎士団に入隊した際、女だの小さいだのコネ入隊だの好き勝手言われたので全員まとめて叩きのめした。実力派揃いの騎士たちに勝利したことで得た副団長の座。上に立って率いることは柄ではないと不満を訴えていたし、本人の言う通り考えるよりも先に手を出してしまう伝花は指揮者には向いていなかった。しかし、なんだかんだで情に厚い伝花は団員たちの世話を焼きがちだし、鬼と泣かれるほど厳しいが指導力が高かった。騎士団で培われた指導力は道場を開いてからも存分に発揮されているぞ。
■ポケモンバトル
技構成:ほっぺすりすり・いかりのまえば
このゆびとまれ・とんぼがえり
持ち物:ふうせん
小さな身体に凝縮された筋肉。洗練された鋭い動き。来る者は薙ぎ払い、逃げる者は組み敷く。飛び跳ねる度にぴょこぴょこと揺れる可愛らしい癖毛や四十路を過ぎても老いを見せない童顔からでは想像のつかない武闘派だ。決して怪力というわけではないので、力でねじ伏せられたら押し返せず。無敵というわけではないので不利な状況に陥ることもある。無理をすることなく、相手との実力差を見極めたり、人数の差に不利を感じたら迷わず撤退をする。戦場において役立たないと言われている特性にげあしも「勝利条件は生き残ること。いからぬ戦果を残そうと死すれば敗北だ」と。そう主張する伝花に有効活用されている。
魔力を有していても魔法の才には恵まれなかった伝花は難しく考えることをやめた。魔力を全身に身を纏い、攻撃と同時に魔力を爆発させて追加ダメージを与えたり、接触と同時に自分の魔力を流し込んで相手の体内に巡る魔力をかき乱す。こうした魔力操作は高い集中力と精密なコントロールが必要なのでとても難しいことであるが、伝花は涼しい顔をして瞬間的にやってのける。影村から武力のために魔法の才を投げ捨てた戦闘民族という評価を受けている。
■自宅関係
影村『背中を預けられる友』
「影村が何者だろうと関係ない。望むなら友として共に戦うさ」
狩った獲物を売りに王都に訪れた際、騎士学校の制服を着た影村が伝花に声をかけた。最近話題の狩人さんだよねという、最近よく聞く挨拶。ああ、また私兵の誘いかと辟易とした伝花は影村を無視した。するとどうだろう。この男は聞いてもない話をぺらぺら話し続け、王都を出るまでついてきた。鬱陶しすぎて適当な約束をし、遠ざけることに成功したと思ったのも勘違い。数年後、本当に騎士団を率いる団長になって迎えにきた。なんて執念深い男だ。影村に対する第一印象は最悪だった。けれど、彼の傍らに立って戦場に出るうちに気付いた。この男は国民の幸せを願いすぎて手段を選ばないこと。苦しんでいる国民を見ると視野が狭まり、暴走しがちであること。当時は貴族にしても背負いすぎではないか程度に思っていた。その姿勢は嫌いではないが、無理をしても良い戦果は残せないぞとどついて無理矢理休ませることもした。容赦のない伝花の振る舞いに影村も安心して身を寄せることができたのだろう。距離が近づき、親しい仲となった後に王位継承権すら与えられない立場だが、それでも一応王族の血を引いた王子であることを明かされたときは気が遠のいた。
王が戯れに手を出した使用人が身籠った子ども。影村の立場を知っても伝花は態度を変えることはしなかった。他でもない影村本人が望んでいなかったからだ。その代わり、複雑な身分でありながら国民を一心に思う影村を守ってやると改めて約束をした。伝花にとっては国よりも優先すべき存在となった。だから、影村が戦争に疲弊し、心が病みそうになったのを見て連れ出すことにした。伝花自身も争いにうんざりしていたので行動は早かった。セイショウ地方まで逃げ、共に暮らすようになってからのこと。どうやら周囲からは訳あり夫婦と勘違いされているらしい。訳ありなのは否定しないが夫婦ではないと否定しようと思ったのも最初だけ。何やら影村が満更でもなさそうなので放置することにした。
花村『苦難を乗り越えた弟子』
「君の覚悟は受け取った。私が責任をもって鍛えよう」
影村に雇われ、騎士団に入隊してしばらくのこと。タレ目で可愛らしい顔をした少年が血反吐を吐くことも覚悟の上だから自分を鍛えてほしいと言ってきた。弟子をとるなんて面倒だからと断ろうとしたのだが、縋るような顔を無下するのは心苦しく話を聞くことにした。初めて聞くオメガ体質について驚きはしたが、それ以上に子を孕むための存在として扱われているということに腸煮えくり返る思いになった。生き物として子孫を残そうとする本能はあって当然のこと。しかし、種のためお前のためと自由を縛り付けることは許されないことだろう。少年を観察したところ、手には血豆、肌の見えるところにいくつかの傷がある。彼は現状に嘆くだけで何もしなかったわけでもなく、自分なりに鍛えようとしたがオメガ体質が原因で思うようにいかないのだろうと察する。ならば、自分がすることは決まっている。面倒と言わず、彼の面倒を最後までみてやろうと弟子にすることを決めた。そして、伝花と影村の2匹の字をとって花村と名付けた。
花村の覚悟の通り、血反吐を吐くほど過酷な修行で鍛えた。時として周囲にやりすぎではないかと止められることもあったが、その度に伝花は「持たぬ者が理想に近付こうとするのであれば相応の代償が伴うというものだ」と。一蹴し、手を抜くことをしなかった。花村は耐えて、毎日欠かさず伝花の教えを守った。そのかいあり、さほど時間はかからずその名を各国に知られるほどの騎士にまで成長した。花村が立派な騎士となり背中を合わせて戦うこともしばしば。もう1匹にしても何の心配はないだろうと判断し、伝花は影村を連れてイフール地方を出ていくことを告げた。国どころか地方まで出ていくことはリスクを伴うことだから花村はここに残っても構わないし、騎士を辞めて自由にしても良い。その手伝いは喜んでしようと話したのだが、花村は躊躇うことなく「俺は師匠たちと一緒にいたいです」と。手を取り、ついてきてくれた。ここまで師匠を思ってくれる弟子などそういないだろうととても愛しく、大切にしている。
火村『我が子のように可愛がっている弟子』
「火村。私は君に平和で幸せな暮らしをしてほしい。だが、もし君が手を汚す道を選んだとしても、私にとって可愛い弟子であることに変わりはない。いつでも帰ってきていいよ」
伝花はセイショウ地方での暮らしに適応するのは早かった。もともと魔法の才がなく、魔法に頼らない生活をしていたので困ることが少なかったのだ。それは花村も同じことらしい。対して影村は慣れない生活に混乱し、ポンコツとなっていた。けれど、楽しそうだからこれもまた一興かと笑いながら、その日もポンコツな影村のために美味しい食べ物を採ってきてやろうと森に出た。そこでまるまるとした泥まみれのポカブを拾った。食べ物を探しに来たのだが、まさかポカブを拾うとは思っていなかった。はて、どうしたものかと考えながら一先ず連れ帰る。抱えられている間、ポカブは短い手足をばたつかせていたがじゃれているのだろうと認識。帰って早々にその姿を影村と花村に見せたら「なんて愛くるしい!」と。声をあげて可愛がっていた。自分よりも可愛らしい一面が多い2匹の予想通りの行動に呆れつつ、困惑しているポカブに一言。「うちの子になるのと今日の食卓に並べられるのどちらがいい?」と。選択の余地のない二択を提示した。
こうして3匹のもとにやってきた新たな家族。食べた分はそのまま脂肪に変換するような勢いで身体を丸めていく姿。それをコンプレックスに思いながらも「くっ、どれもこれも美味しくて手がとまらない!」と。出されたものは全て平らげる姿はとても可愛らしかった。だが、このままでは彼の心身によろしくないのだろうと思い食べさせた分だけ稽古をつけることにした。もともと素質はあったのだろう。教えられたことをぐんぐん吸い込み、目覚しい成長を見せてくれた。この道場にとどめておくのはもったいないくらいだと思い始めた頃、恋石と名乗る少女が道場に訪れた。このときは単に火村の力を求めてスカウトしにきたのだろうと思い、火村の好きなようにしていたのだが……最近になって恋石はイフール地方より逃げてきた自分たちを監視するために火村を傍に置いたということに気付いて少し後悔している。