もしもメール機能があったら

メールを知らせる着信音で目が覚めた。どうやら新しい街についてすぐに寝てしまったようで…。ついてすぐに部屋を借りてよかった。誰もいないのに起きてから手櫛で髪をサラッと整えて鏡をのぞいてしまうのはもう癖のようでついやってしまう。まあ、今はそんなことよりメールの差出人を確認しなくちゃ。

「…あら、今日も送ってくれるのね。ふふっ…、大変じゃないのかしら?」

メールの差出人は最近知り合ったシズクという少年。私やお兄様のような青にも銀にも見えるその髪を持つ少年に出会ったのは本当に偶然で、お父様からカイナでクスノキさんに荷物を渡す少年を待つように言われて待っていた少年がシズクくんだったという至極簡単なもの。

そのあとは、なんだかユウがシズクくんのワカシャモに一目惚れしたらしい。私はポケモンの言っていることはわからないから、確信は持てないけど、シズクくんのワカシャモ--フレアちゃんを前にしたときのユウは性格からは考えられないかっこよさで、その、なんというか、うん、とりあえず、あなた、だれかしら状態だったわね。

「ほら、ユウ。今日もシズクくんがフレアちゃんの写真送ってくれたわよ。」

シズクくんがわざわざ送ってくれた(多分シズクくんがつつかれたりしながら撮っているであろう)写真をユウに見せればじーっと見つめはじめたかと思いきや開いている窓から庭に飛び出していった。私の手持ちは大きいのが多いから庭付きをよく借りるが、まあ、庭付きでよかった。壁を破壊されては困る。

こうして知り合った私たちは毎日のようにメールをしていたりする。その内容はポケモンのことだったり、その日に言った場所の話だったり日によって色々。

シズクくんのメールは顔文字が多くてとても可愛らしい。なんというか、シズクくんには直接言えないが女の子っぽいなと思ってたりもする。可愛らしいメールを送ってくれるシズクくんに対し私が送るメールは正反対で句読点しかないものなのでちょっと申し訳ない。

「返信どうしようかしら…。」

とりあえず、写真のお礼とそれをみたユウの反応でも書いておけばいいかな?…顔文字でも使ってみる…?と慣れないことに挑戦しいつも以上に返信に時間がかかってシズクくんに心配されてしまった。慣れないことはするものじゃないわね。

そしてその後、そんなこんなで慣れない顔文字で苦労したメールはなぜかミクリさんにシズクくんのメアドで転送されていて、ミクリさんにわざわざ電話でかわれたのでもう顔文字なんて使ってやるもんかと決めたのは内緒である。