別れと再会。その2

「なあ、サチコ。ホウエン興味あるか?」

「はい?」

「いや、明日から爺さんの付き添いでホウエンのミシロタウンにいる研究者の家に行くんだけどよ。」

「ホウエン、結局何も見れてないんだろ?一緒に行くか?」

「い、行ってみたい、です!」

急遽決まった旅行に、私は上機嫌になる。
とりあえず、体質が引き寄せるものの対策として、グリーンさんのお爺さん…オーキド博士とは別の船で行くように手配してもらった。

***

博士を追いかける形でホウエンへと降り立った私とグリーンさん。
案の定、カイナに到着予定の船が天候に左右されてミナモへと進路変更したけど……無事にホウエンの地へ足を踏み入れられたから、よしとする。

「じゃ、さっそくミシロタウンへ向かうか。」

「はい!」

グリーンさんに持ち上げてもらって、ピジョットの背に乗る。
そして、大空を飛びながら背後からグリーンさんに色々と教えてもらった。

「俺は、爺さんの手伝いもするから研究室に籠る。
サチコ、その間お前と同い年くらいの子が2人、町に住んでるらしいからその子たちと遊んでもらえよ?」

「えっ、私、一人で待ってられ「遊んでもらえよ?」……はーい。」

同世代、って、エンジュに住んでいた頃しかいなかったし、
遊んでもらえた記憶が……1人しかいないし。

私の不運に巻き込むのが怖くて遊びたくないアピールをするも、グリーンさんには通用せず、ミシロタウンに着くとすぐに私は研究所ではない民家の前に立たされていた。

ちなみに、すでにグリーンさんはいなくなっていて、
この家の前から移動したら私は完全に迷子になる。

「そこまで分かってて、お家の前で置いてけぼりにされた……!」

どうしよう、ドアをノックすべき?
この家に住む子に…迷惑かけるの?

そんな事を脳内で考えていた、その時だった。

ガンッと顔面にドアがぶつかってきたのは。

「っ、っ、!!」

言葉にならない激痛に、額を押さえて蹲っていると、慌てたような声が上から降ってきた。

「お、おい、大丈夫か……まさか、ドアの真ん前に人がいると思って、なく、て………?」

「………?」

「おま、え、さ、サチコ……?」

「っ!!!し、シズク君…?」

懐かしい声に、名前を呼ばれてばっと顔を上げると、
そこには思い出より少し大人びた雰囲気の彼がいた。

「サチコ、だよな?とりあえず前髪どうした?」

「えっ?あ、これは、そのっ……えっと、シズク君!?」

「おう、さっきも名前呼ばれた気するけど…」

「ほ、本物……?」

「偽物がこの世にいるのか?」

「本物、だぁ………!!シズク君だぁ!」

額の痛みの涙が、嬉し涙に変わる。
私は我慢できなくて、そのままシズク君に抱きついた。

「うわっ、と。な、なんで泣いてんだよ」

「会えた、会えた……!もう、一生会えないと思ってたのに……!シズク君に会えたーっ、う、うううー、、」

「あー、泣くなって!相変わらず泣き虫だな、サチコは!」

「わーん、シズク君ー、、、」

「はいはい、名前連呼すんなって。」

ぽんぽんと、私の頭を撫でてくれるシズク君の手が懐かしくて。
私はさらに泣いてしまった。


大切な友達に、再会できた。
こんな幸運、私にあるなんて、信じられない!

結局、様子を見に来たグリーンさんが勘違いしてシズク君の事を怒るまで、
私はシズク君に抱きついて泣き続けていたのだった。