煤闇 出会い


カッカッと硬質な音が地下通路に響く。
少し離れた所からは戦いの喧騒が聞こえてきていて、リルメは手早く松葉杖をついて歩調を強めた。

(人のことを怪我人扱いして寝かしつけたくせに…こんなに暴れられたら煩くて休めやしない。)

そう少しばかりイライラしながら、喧騒の聞こえる通路に辿り着き目を瞠る。ユーリスの鼻先に剣の鋒が迫っているところだった。

「……ちょっと、」

ピシャンっと小さな雷が落ちる。

「何してるんですか?」

ユーリスに剣を向けていた男の人が、淡々とした表情を硬直させて目を瞠るのが見えた。





「ベレト=アイスナー。よろしく。」

よろしくするつもりが本当にあるのか。表情筋ひとつ動いていない目元と凪いだ瞳で彼はそう名乗った。