34 バルタザール編


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バルタザールが士官学校に入学した当初。お上品な貴族共との交流だとか、じっと座って講義を受けるだとか、苦手なことばかりが立て込んでいた時期だった。
もちろん初っ端から実戦に出すことはないと聞いていたしそこは承知していたが、もっと訓練や手合わせがあってもいいと思うのだ。気の合う友人ホルストがいなければ更に退屈していただろう。

そんな頃のこと。
お高く止まった大修道院どこからか、珍しく喧嘩の気配がした。ホルストと興味本位で探り、そしてすぐに彼女を見つけた。

「とっとと失せろ変態!」
「がはっ…こ、このガキ…!」
「とうっ!」

それはそれは見事な回し蹴りだった。膝丈のスカートを翻して大きく上げた足が男の頬に強打する。よろめいた男に足払いをかけて倒すと、その背を何度も踏みつけた。

「いっ!わ、わかっ、た!俺が、悪かった!」
「なに、が、どう、わる、かったって?」

だんっだんっと力強く踏み付けながらそう問えば、男は情けなさそうにあうあうと声をあげる。「はっきり言え!」と大声で殊更強く踏まれると、男は悲鳴をあげた。

「うあああ勝手にっ連れて行こうとしてっすみませんでしたっ、ぃだ!!」



金鹿の学級に所属していた頃に出会う
ホルスト共々構っていた