03
「いや あれはマジで規格外の美女だった。な、仁王」
「ああ もし昔の時代にあの転校生がいたら美貌で大国を傾かすくらい訳ないじゃろうな」
「ね!やっぱり美人だったでしょう!?丸井先輩達と同じクラスってことは先輩なんスね…あーもうずるいっスよ先輩達!俺が同じクラスになりたかったのに」
「心配しなさんな赤也 俺がしっかり味見しちゃる」
そう言って仁王がポンと赤也の肩を叩いた。
「ちょっと何言ってんスか仁王先輩!ダメっスよそんな…あ、味見なんて!」
「ふふふ 下世話な話は置いといて。国が傾くほどの美女か そこまで言われると流石に気になってきちゃうなぁ」
「そーなんスよ幸村部長!本当に一回部長にも見てもらいたいっス!」
赤也が興奮気味に幸村に向かってそう話す。
時刻は昼時。いつものように部活のメンバー同士で屋上で幸村が手入れをしている庭園を眺めながらお昼ご飯を食べている最中だ。
「女子にうつつを抜かすなどたるんどるぞ赤也!仁王、丸井貴様らもだ!」
「まぁ落ち着きなよ真田 女子が気になるなんて俺たち男子高校生として普通の事じゃないか」
「む それは…そう…なのか?」
幸村の返しに納得した(させられた)真田はまだ何かを言いたそうにしていたが幸村の無言の笑みを前に口を閉じた。
「転校生と言えば確かロールスロイスで登校してきたと言う女子生徒の話でしょうか?」
「ロ、ロールスロイスって 金持ちかよ」
「ああそうだ。彼女の名前は一条麗奈。血液型はAB型で出身地はイギリス 日本とイギリスのハーフで家柄はあの跡部と並ぶ程の大財閥だ」
柳生のロールスロイス発言にジャッカルが驚いていた矢先、柳が集めたばかりのデータを目にしながらそれを読み上げた。
「跡部と並ぶ程の大財閥ってハンパなく金持ちってことかよぃ…」
「ああ そうなるな」
「すげー!じゃあじゃあ!もしかして跡部さんみたいに自家用ジェットとか持ってるんスかね!?」
「そこまでの情報収集にはまだ至っていないがあの財力だ。ジェット機の一つや二つくらい裕に持っているだろうな」
柳の返答に赤也が先ほどと同様、すげぇ…と声を漏らす。
「転校生が大財閥って事にも驚きじゃがこの短時間でそこまで調べた参謀にも驚きぜよ」
「確かに。相変わらず柳のデータ収集力には目を見張るよ」
「ふっ 褒め言葉として受け取っておこう」
柳が薄く笑ってノートを仕舞った時だった。立海大附属高校の上空にジェット機が現れた。
その機体にはでかでかとATOBEと記されており、突然ジェット機が現れた事に驚いている立海テニス部の耳に更に追い討ちをかけるような放送が届いた。
『立海大附属高校2年B組の転校生 一条麗奈!今すぐ屋上まで上がって来い!繰り返す 立海大附属高校2年B組ーー』
屋上でお昼を食べていた立海テニス部レギュラー達はそれはそれは聞き覚えのあるどこかのキングの声とその放送内容に思わず弁当を食べる手を止めた。
しかし驚いていたのも束の間、上空を旋回するATOBEのジェット機から何かが落ちてくる。
それはジェット機の保有者である跡部本人であった。パラシュートにまでATOBEと書いてあるがツッコミが追い付かないのでそれは一先ず置いておき。
ゆっくりと屋上に着地した跡部と同時にタイミングよく屋上の扉が開いた。