順調だよ
そして、4日後。
新しくなった 戦闘服に身を包んでいた。
「新シクナッタナ」
「血を 銃弾に入れられるようにしてもらったんです。裏に小さな穴があって 出し入れも手間なく出来るんです。血が増えたら リンクベルトを増やせばいいし。銃弾なら ポーチの中にも沢山入れておけるので」
両肩。
そして、腰に二本巻いた弾帯。
ポーチにも 替えが沢山入っている。
「機動力ハ大丈夫カ」
「布製なので軽いです。弾本体も凄く軽量化してくれてて、血液の重さだけですね。まぁ、操れば 0みたいなもんです」
「アトソノ銃ハナンダ」
刀の柄をなくした代わりに腰につけられた銃。
「この弾撃てるんです。これがあれば、索敵に無駄に血を使わなくて 済むかなと。で、そのために望遠機能をつけたゴーグルも作ってもらいました」
「イインジャナイカ。戦イナガラ使イ心地ヲ確認シヨウ」
戦いながら血の出し入れとかを確認して入れば 視界に入った 落下する瓦礫とその下にいるオールマイト。
飛び出していった緑谷が足で その瓦礫を蹴り砕いた。
「血防壁」
そして、その小さな瓦礫から守るように 彼の周りに血の壁を作った。
「うん、ストレスなく出せる」
ありがとう、というオールマイトの言葉に ぺこりと頭を下げる。
「問題ナサソウダナ」
「はい。血も鉄分と水の調合で いい感じに増やせたので。あと、1つやりたいことがあって」
「何ダ」
工房に行った時から気になっていたことを先生に伝えれば 面白イと彼は言ってくれた。
「そこまでだA組!!今日は午後から我々が使わせてもらう予定だ!」
「…B組か」
仕方なしに特訓をやめて、下に降りる。
「ねぇ、知ってる!?仮免試験て半数が落ちるんだって!A組全員落ちてよ!」
マジシャンみたいな格好の男の言葉に 豆しばみたいと呟けば隣にいた 麗日が吹き出した。
「ねぇ、知ってる…ってCM あったじゃん」
「ダメ!蛟くん、それは!!」
「めっちゃウケてる…」
どうやらツボに入ってしまったようだ。
申し訳ない。
訓練を終えて立ち寄った場所は保健室。
「おや、怪我でもしたのかい?」
前から考えていたこと。
仮免で、というよりは今後確実に必要になるであろうこと。
「いえ、今日はお願いがあって」
首を傾げるリカバリーガールにお願いの内容を伝えれば、彼女は少し考えてから 頷いてくれた。
「いつでもおいで。力になるよ」
「ありがとうございます!!」
▽
体の感覚を戻すため夜も筋トレをするようにしていた。
「よぅ」
「あれ、爆豪じゃん」
そんな俺の元へ来た 不機嫌そうな彼。
不機嫌そうじゃないことの方が珍しいか。
「どうしたの?」
「いや、」
彼は何かを言うわけでもなく、隣のトレーニング器具に腰掛けた。
「…調子は、」
「特訓の?それとも、怪我の?」
「どっちも」
特訓はまぁ順調かな、と答え 自分の頬の火傷に触れる。
「見た目はもう変わらないけど、怪我も特には」
「…そーかよ」
「なに?そんなおとなしいと 逆に怖いんだけど」
じっと見つめる彼の目に、俺は首を傾げた。
「…このままじゃ、お前は死ぬと…思ってる」
「どうしたの、急に」
「薄々は気づいてたんだよ。けど、確証が持てた」
お前には 痛覚がない。
彼から出たその言葉に、やっぱり鋭いやつだと 笑う。
「よく気づいたね」
「このまま…ヒーローを目指したら…死ぬぞ。お前」
致命傷を受けても、俺は気づけない。
それは わかってはいた。
うまく取り繕っても、周りは心配をするし。
だからこそ、今やろうとしている新しく技。
「大丈夫だよ」
「何を根拠に!!?」
「言ったじゃん。順調だよって」
なんとなく形はできて来たんだ。
コスチュームの変更もまたしたし、それがうまくいけば。
攻撃の幅だって広がる。
まぁ、頭のキャパが心配なところはあるけれど…
「なんか、新しいことやってるってことか…」
「まぁ、そんなところ。だから、心配しないでよ。大人しい爆豪は 少し やりにくい」
うるせぇ、と彼は吠えて 俺の頭を叩いた。
「死にかけたお前を守るのは もう勘弁だからな」
「ごめんて。あの時はありがとう。爆豪のおかげで、死なずに済んだし…」
「…そうかよ」
泣いてくれたしね?と首を傾げればまた容赦無く頭を叩かれた。
「やめてよ、酷いなぁ」
「忘れろ!!!」
「え、やだよ」
いい思い出だから、と笑えば彼は 不満そうな顔をした。
「痛がらねぇから、叩いても張り合いねぇし…」
「それは、俺のせい?あ、俺のせいなのか」
大きな溜息をついた爆豪が立ち上がる。
「そろそろ、ぶっ倒し甲斐が出て来たな、お前」
「あぁ、本気だなんだってやつ?」
「そーだよ」
爆豪じゃ、まだ足りないかな と俺は笑った。
その言葉に彼が キレる。
「おいコラ、喧嘩売ってんのか!?」
「売ってない売ってない。今は爆豪よりも、倒したい相手がいるから」
「そいつが俺より強ぇってことかよ」
どうかな?と首を傾げ、顔の火傷を撫でた。
「まぁほら。負けっぱなしは、嫌でしょ?」
彼は納得したらしく黙って、そして舌打ちを1つ。
「むしろ、爆豪は大丈夫?」
「…なにが?」
「いつもと違うから。気にしてるの?オールマイトのこと」
見開かれた目。
どうやら、図星みたいだな。
別に と言った彼。
そんな弱々しい声で言われても、納得なんかしないでしょ。
「…気になるなら、はっきりさせた方がいいんじゃない?別に、そのままでいいならいいけど」
「わかってるよ」
「…嫌だろうけど。何かあったら、相談してよ」
絶対嫌だ、と彼は言う。
まぁ、構わないさ。
俺じゃなくても、頼れる人がいるなら。
「…じゃーな、スカし野郎」
「血郷じゃなくて?」
「さっさと寝ろ!クソ血郷!」
何だかんだ、呼んでくれるところ可愛らしいと思う。
まぁ、言わないけど。
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