国見に助けられて、外に出た私はある場所に向かっていた。

「あれ?」

そこに行く途中、見覚えのある人を見つけた。

「ねぇ」
「え?」
「烏野の、マネさんだよね?」

振り返ったその人は驚いた顔をする。

「青葉城西の…」
「寿麗亜です。名前聞いてもいい?」
「清水潔子です」
「清水さんね、よろしく」

ニコリと笑って、彼女の手元を見る。

「スゴイ荷物だね」
「GWに向けて必要なもの買ったの」
「1人で?大変じゃない?」
「少し、買いすぎたかな」

綺麗に笑った清水さんの手から荷物を半分奪う。

「手伝うよ」
「え?」
「烏野の近くまで用事があるから、ついで」
「ありがとう」

清水さんと色々話しながら、烏野に向かう。

「影山、元気?」
「すごく元気。寿さんに会ってから凄く頑張ってる」
「そっか」

体育館に着いて、悪いと思いながらも中に入る。

「おー、清水お疲れ。大変だったろ?」
「大丈夫。寿さんが手伝ってくれたから」
「そうかー…て、は!!?」

1番を着ていた、たしか澤村君がこちらを見た。

「すいません、お邪魔してます」
「麗亜さん!!?」

影山が慌ててこちらに駆け寄ってくる。

「どうしたんですか!!?」
「なんで、いるんだ…」
「あー…ごめん。邪魔して」

主将さんにぺこりと頭を下げる。

「こっちに用事があってさ。丁度、清水さんが大荷物で歩いてるのみつけてお手伝いしてきただけ。偵察ってわけじゃないから」
「あぁ、そうだったのか…手伝ってもらって悪いな」
「ついでだから、気にしないで」

澤村との話を終えて、目をキラキラとさせる影山の頭を撫でる。

「調子はどう?」
「バッチリっす!!」
「そう、よかった」

さてと、邪魔するのも悪いし…さっさと…

「麗亜だぁぁぁああ!!!!!」
「うわっ!?」

凄い勢いで飛びついてきたそいつを抱きとめる。
周りからは悲鳴。

「夕、久しぶり」
「麗亜!!久しぶりだな!!」
「やっぱり、烏野リベロは夕だったね」

夕こと西谷夕の頭を撫でる。
夕は2年なのに私の名前を呼び捨てにしてる。
別に、気にしてはいないんだけど。

「あー…どういう関係?」

澤村が困った顔をしながら問いかける。

「中学時代に知り合ったんだよ、大会で」
「おうっ!!それ以来メル友だ!!」
「あの、」

突然冷めた声が聞こえてそっちを見ると5番君。
名前、月島…だったかな?

「こないだは、どうも」
「いーえ、どういたしまして」
「タオル…今日持ってきてないんすけど…」
「あぁ、いつでもいいよ。そのまま貰ってくれてもいいし」

微笑んで言えば、今度渡しに行きますと頭を下げて練習に戻っていった。
一通り会話をして、用事を思い出す。

日向とかとは話してないが…怖がられてる?
遠くから威嚇してる彼に少し、笑った。
まぁ、いいや。

「あ、そういえば聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ、麗亜!!」
「この辺りに商店ってない?」

夕と影山が顔を見合わせた。

「坂ノ下商店っすか?」
「あぁ、それかも」
「学校出て、坂を下ったところにありますけど…」

影山が首を傾げる。

「何か、用事ですか?」
「ちょっと、会いたい人がいて」
「オラ、なにサボってんだお前らー」

体育館の入り口から入ってきた誰かの声に、酷く安心した。
あぁ、この声…

「繋心!!」
「…麗亜?」

驚いた顔をした彼に微笑む。

「え、知り合い?」
「まぁ、ね」

私は彼を見ながら自分の手を強く握りしめた。
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