夕飯をテーブルに並べる。
「はい、じゃあどうぞー。あ、おかわりあるから食べたければ言ってね」
「「「「「いただきまーすっ!!!」」」」」
余程お腹が空いていたのか凄い勢いで食べだす部員に苦笑する。
「及川と岩泉もどーぞ?」
「いただきます」
「いただきま〜す」
部員同様凄い勢いで食べる2人にやはり、苦笑が零れた。
「てか、寿。それで足りんのか?」
岩泉が私の皿を指差す。
男子の半分もないカレーを見ながら眉間に皺が寄った。
「平気だよ。私だけサラダ多めだし。」
「倒れたら怒るよ〜寿サン」
「大丈夫だって」
「寿先輩!!」
突然名前を呼ばれて振り返る。
「どうしたのー?」
「おかわり、いいですか!!?」
「早いね。いいよ、お皿頂戴」
その後数人のおかわりの対応をしてから席に戻る。
「まだ一口も食えてねぇじゃねぇか」
「まぁ、仕方ないかな」
少し冷めたカレーを食べ始める。
「この後、どうするの?」
「お風呂入れてるからお風呂入って?その後はミーティング。で、寝る」
「寿、風呂どうすんだ?」
「皆が寝てからかな」
私の言葉に2人が溜息をついた。
「何、どうしたの?」
「無理すんなよ?」
「心配で死にそう」
…どうしたんだろ?
ご飯を食べ終わって、お風呂に向かった部員を見送って皿を洗う。
「あんなにあったのに完食って…怖いな、男子の胃袋」
明日の朝食もガッツリしたのにしてあげないとみんな倒れそうだよね〜…
やっと全部の皿が洗い終わった時ポケットに入れていた携帯が鳴った。
「もしもし?あ、監督。どうしました?」
部員の様子を尋ねる監督にみんなの様子を伝える。
「あ、はい。じゃあそう伝えておきますね。はい、じゃあお疲れ様でした」
電話を切って溜息をつく。
「夜騒ぎすぎるなよって…修学旅行じゃないんだから平気じゃないかなぁ…」
そう呟いて携帯をしまった。
「麗亜チャン」
「どうしたの、及川?」
パジャマを着た及川がそこに立っていた。
「なにか、手伝う事あるかな?」
「皿は洗い終わったし、テーブルは拭いたし…平気かな」
そっか、と及川が笑って椅子に座る。
「髪」
「え?」
「濡れてんじゃん」
及川が肩にかけていたタオルを取って髪を乾かしていく。
「なんか、髪の毛ペッタンコの及川って新鮮」
「そうかな?」
及川がこちらを見上げて首を傾げる。
「まぁ、ハネてるほうが及川らしいけどね」
「…麗亜チャンは、短くなっちゃったね」
及川の手が髪に触れた。
「そうだね」
「…長いの好きだったんだけど…短いのも可愛い」
及川はニコリと笑った。
「ありがとう。ほら、ミーティングの時間だから行くよ」
「ん、行こうか…寿サン」
****
ミーティングの後、1人お風呂に入って待合室に入るとテーブルにペットボトルが置かれていた。
「ん?」
ペットボトルを手に取ると、パッケージのメッセージ欄に書かれた文字に微笑む。
「無理しないでね、か…」
見覚えのあるその文字は多分、及川のモノだろう。
「ありがとう」
わざわざ、私の好きな紅茶を買ってくるとはね…
「じゃあ、明日も頑張りますか…」
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