火曜日

「結局、付き添いか…」
「そんな嫌な顔しないでよ〜」

放課後病院に向かいながら溜息をつく。

「試合、見たかった」
「トビオちゃんとの試合だから?」
「は?影山と試合なの!?」
「知らなかったの?」

監督、そんなこと言ってなかった。

「最悪」
「ちょ、怒らないでよ!!?」
「あー、見たかった。影山の試合」

携帯を開いて時計を見る。

「……よし」
「え?」
「さっさと帰る。試合見れなくても話しはしたいんだよ」
「しょうがないな〜」

及川は困った顔をしながらも笑った。


****


体育館につくとホイッスルの音が響いた。

「アララッ1セット取られちゃったんですか!」
「おお!もどったか!足はどうだった!」
「バッチリです。通常の練習もイケます」

キャーーッと女子の黄色い声が響く。

「まったく…気をつけろよ、及川。…寿はどうした?」
「スミマセ〜ン。寿サンは部室です」

視線の端に映ったトビオちゃんに手を振る。

「やっほ〜トビオちゃん久しぶり〜育ったね〜」
「俺…サーブとブロックはあの人見て覚えました。実力は相当です」
「元気に王様やってる〜?」

麗亜チャンに、会わせたくないなーなんてね。

「とにかくお前はアップとってこい!いつもより念入りにだぞ!!」
「はぁ〜い」

体育館を出て部室に行くと麗亜チャンがタオルを籠に入れていた。

「麗亜チャン」
「アップ?」
「そ、これからね」

麗亜チャンが視線をこちらに向ける。

「及川って、私と喋るときだけ口調違うよね」
「中学時代ウザいっていったじゃん」
「いや、改めてウザいな〜って思っただけ」

麗亜チャンが立ち上がる。

「アップ、手伝ってあげようか?」
「あれ、今日は優しいね〜」
「語尾、伸ばさないで。やっぱり体育館行く。勝手に頑張って」

籠を持って、部室を出ようとすると麗亜チャンの腕を掴む。

「行かないでよ」
「…さっさと着替えて」
「ありがと」

その瞳にトビオちゃんが映ってる時間なんて短くていいんだよ。
誰にも、渡したくないって思ってるの気づいてる?
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