「凛も走ってたのか?」
「まぁ…」
「タンクトップで走るとか寒くね?」

俺の言葉に凛が眉間に皺を寄せる。

「暑くなってパーカー脱いだ」
「…ずっと走ってたのか?その割には俺会ってねェけど…」
「…お前の後ろにいたんだよ。朱希速すぎて追いつかねェし、止まんねェし」

あぁ、だからこんな疲れてんのか…
「なんか、悪い…」
「ムカつく」
「何でだよ」

凛がじっと、俺を見てから気まずそうに目を逸らす。
「何?」
「いや…なんか、目…合わせにくい…」
「え?あぁ…2度目の告白後だしな」

笑いながら言うと凛が顔を真っ赤にして俺の名前を呼ぶ。

「わざわざ口に出して言うな!!」
「いや、つい?」
「…最悪」

拗ねたような口調に苦笑して汗に濡れた髪を撫でる。
「悪いな」
「…別に、いい…けど」

素直に頭を撫でられながら目を逸らした凛に首を傾げる。

「何で追いかけてきたんだ?」
「…会いたいって言っただろ」
「あぁ…そういうこと」

空に視線を向けて目を細める。

「朱希?」
「…んー?なに?」
「いや…俺は会いたくなかったって言わねェのかよ…」

凛の言葉に俺は目を瞬かせる。

「会いたくなかったよ」
「…そうかよ」
「けどまぁ…泣きそうな顔してねェし許す」

俯いた凛の顔を覗きこんで微笑む。
「な!!?俺、別に泣いて…」
「いつも俺を見る瞳が悲しそうに揺れてる。けど、今日は違うから…まぁ許す」
「泣いてなきゃ会っていいのかよ」

凛の言葉に俺は「んー…」と少し考える。

「泣きそうなときは会いたくないけど、泣いてるときは会いに来い」
「は?」
「慰めてやることくらいはしてやる。笑ってるときは…俺のことなんて忘れて笑ってろ」

真っ赤に染まった凛の顔を見ないように目を逸らす。
「泣き顔なんかお前に見せねぇよ」
「…俺はお前に泣いてほしくないんだよ。だから、俺に会って泣きやむなら会ってやる」
「意味わかんね…」

そう言いながら少し笑った凛は俺の服の裾を掴んだ。


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