赤色に染まっていた空が暗くなった頃遙さんの家に着いた。
「ダメです、まだ帰ってないみたいです」
鍵の開いていない玄関と、電気のついていない家。
「裏から入ろう」
「わかった!!」
「ちょっといいんですか、勝手に!?」
どんどん家の中に入っていくのを見ながら足を止める。
きっと、遙さんはここにはいない。
直感でそう感じた。
お邪魔します、と心の中で呟いて玄関へ行く。
「やっぱり、帰ってない…」
家のどこにも遙さんの姿はなく、居間に全員集まった。
「ハル…」
「帰ってくるまで待ちましょう」
「ハルちゃん…リレー出てくれるかな…」
竜ヶ崎の持つ写真を見つめて、俺は目を伏せる。
俺が出会う少し前の凛の姿。
楽しそうに笑う姿に、胸が締め付けられた。
この笑顔を…俺が奪ったのか…
9時を過ぎても遙さんが帰ってくることはなかった。
「帰って来ない…」
「どこ行っちゃったんだろう…」
縁側に座る真琴さんの隣に座って地面を見つめていた。
「あ、そうだ!!携帯!!電話してみればいいんだ」
「遙先輩携帯持ってたの!?」
「それを早く言ってください!!」
言い争う1年トリオを見て真琴さんがクスリと笑う。
電話をかけて、留守電を残す彼らの声を聞きながら頭の中に浮かぶのは遙さんのことより、凛のことだった。
出会ったころは、あんな風に笑ってた。
その笑顔を俺が奪ったのか…
「…朱希?」
「え、あぁ…なんすか?」
「いや、ずっと俯いてるから…どうかした?」
真琴さんの言葉に返事をしようと口を開いたところで俺の言葉は渚の声に消された。
「あーっハルちゃん携帯置いて行ってる!!」
「「えぇ!!?」」
「ハルは普段あんまり携帯を持ち歩かないから」
真琴さん言葉に3人は落胆の溜息をつく。
てか、携帯を携帯しないでどうするのさ…
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