「すごいですね、遙先輩」
袋の中にいる5匹の金魚。
「本当に俺が貰っていいの?」
「あぁ」
「マコちゃんしか世話しそうにないから」
遙さんが獲った金魚を真琴さんに渡した。
真琴さんも嬉しそうにそれを受け取る。
「ちゃんと飼うよ」
「折角ですし、名前付けませんか?」
「名前?」
遙さんはどこか嬉しそうに空を見上げる。
「渚、怜、遙、真琴、朱希でいいんじゃないかな?」
「それはちょっと…」
「サバ、カツオ、マグロ、アジ、サンマ」
「えー…」
楽しそうな彼らを眺めていればけたたましくなった俺の携帯。
「朱希ちゃん、電話?」
ポケットから携帯を出して、液晶に映る名前に俺は首を傾げる。
「…すいません、出ていいっすか?」
「いいよ」
「もしもし。はい、朱希ですけど…は?アンナさんが消えた?いや、今どこに…は!!?岩鳶にいるって…え、来てるんですか!?」
頭が追いつかない。
一旦、整理しようと息を吐いたときに背中に衝撃が走る。
「朱希!!」
「ちょ、アンナさん!!?」
振り返ればニコニコと笑うアンナさん。
「何してんすか、探してますよ」
「え、本当に?」
アンナさんは俺から携帯を奪って朱希と一緒に戻るわと伝えて電話を切る。
「…えっと、朱希…?その人は…」
驚いている真琴さんたちに苦笑する。
「えっとこの人は…」
「朱希の彼女でーす」
「彼女!!?」
腕を組んでそう言ったアンナさんに手に持っていた林檎飴を押し付ける。
「それ食べながらちょっと、黙ってください」
「あら、酷い」
「この人のことは明日話します。今日はこの人送ってくるので」
「え、ちょ…朱希ちゃん!!?」
失礼します、と強引に話を終わらせてアンナさんの手を握る。
「行きますよ」
「はーい」
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