少し早めに就寝することとなり、9時ごろにみんな部屋に戻った。
「まだ、眠くないんだよなー…」
ベランダで夜風を浴びながら空を眺める。
部屋の方からバイブ音が聞こえて、慌てて部屋に戻る。
携帯に映し出されたのは見覚えのない番号。
「もしもし?」
開け放たれたベランダから風が吹き込み、俺の髪を揺らした。
『御影朱希君…であってるかな?』
「どちら様ですか?」
『鮫柄の部長の御子柴だ。似鳥から番号を聞いた』
部長の御子柴?
…あぁ、あのオレンジ色の…
「俺に何か用ですか?」
『話したいことがあってな。今は会場近くに泊まっているか?』
「はい」
『なら…少し外で話さないか?』
俺に話って凛のことか?
どうせ眠れそうにはねェし…
「わかりました」
『そうか、よかった。場所は…』
電話を切って隣の部屋をノックする。
「あれ、朱希?どうしたの?」
「すいません、少し出てきます」
「朱希も?…気を付けてね」
頭を撫でた彼に小さく頷く。
「おやすみなさい」
さっき真琴さんたちといたプールの見える高台。
そこに御子柴さんがいた。
「お待たせしました」
「急に呼んで悪かったな」
「いえ、大丈夫っすけど」
こちらに投げられたスポドリを受け取って首を傾げる。
「それでも飲みながら、話そう」
「…はい」
手すりにもたれ掛ってプルタブを開ける。
「話って、凛のことっすか?」
「よくわかったな」
「他に俺と御子柴さんに共通の話題はないっすよ」
「あるだろ、もう1つ」
彼の視線を俺の視線が交わる。
「俺と同じ、1500の選手なんだからな」
「…少し、話が長くなりそうっすね。御子柴さん」
「そのようだな」
にやりと笑った彼に内心舌打ちをこぼした。
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