鋼の錬金術師
「なまえは鋼の錬金術師、エドワード・エルリックに会ったこと無かったかな?」
「はい、お名前だけ。」
ハガネ、何だか厳つい名前だ。大佐の2つ名、焔を聞いた時、名は体を表すと思ったが、彼もまたその名にふさわしい何かがあるのだろうか。
「軍関係の始末書に彼の名をよく見ます。」
つい先日、エドワードがその対応に大佐の名前を出したために、それについての苦情の電話対応をしたばかりだ。『これだから女は、』理不尽な内容が多かったが故に、煮えきらない感情がまた顔を出す。
表情は笑顔だが怒りのオーラが滲み出るなまえの様子にハボックは口を引くつかせ、思わずタバコを落としそうになるのを指で抑える。
「た、大変だな...」
「本人を連れてくるから、ゆっくり話を聞いたらいいさ。」
君も行くか?そう続ける大佐になまえは首を傾げた。
「どこに行かれるんですか?」
「駅だよ、そろそろ着く頃だろう。犯人の顔と、仕事を減らしてくれた鋼のを労いに行ってやろう」
悪い顔して笑う大佐に、なまえは呆れた顔をしている。
「私はここで後処理のお手伝いをするので、お待ちしてますよ。
気をつけてくださいね」
※
大佐たちが現場に出向き、対策本部は後始末に動き出す書類の手伝いをする。
「大佐は、鋼の錬金術師さんを随分信頼されてるんですね」
「あぁ...、大佐がスカウトして、なおかつ最年少国家錬金術師。自分の手足となりうる有能な存在だからな...」
ファルマンが同情すると言わんばかりに、生贄のひとりだ...と漏らして十字を切る
「なるほど...」
そう会話をしていたにも関わらず、大佐が連れてきた"2人"を見てからは浮かんでいたエドワード・エルリック像が崩れつつある。
最年少で賢い人、その上で今まで"処理させられてきた"内容から猪突猛進。頭には、そう。ポッターのような、頭のキレる腹黒な奴かと思っていたけど...
「いやっぁー!話がわかるねぇ大佐!」
「兄さん...、行儀が悪いよ...」
子供だ...。なるべく顔に出さずコーヒーを配ると、鎧を着た、アルフォンスくんが「ありがとうございます」と声をかけてくれる
生きた人の気配がしない弟と
最年少の錬金術師である兄
彼らも何かを"持つ人"だ
なまえはそう思った。