記憶の中のおばあさん
『おばあさん、もうお手伝い出来ないから来たらダメよ。見つかったら危ないわ。』
『あら残念ねえ。ここの野いちごが私も夫もお気に入りだったのよ。』
『私もお話しながら取るの楽しかったけど…学校に入るからもう来れないの。それに…内緒よ、卒業したら誰にも見つからないように消えるつもりよ』
『あらあら…じゃあ次はお嬢ちゃんのお手伝いしてあげるわ。』
『しなくていいわ、誰も巻き込みたくないの』
『等価交換、夫の好きな言葉よ。今までの私と夫からのお礼よ。』
はっと目を覚ます。今まで忘れていた彼女との記憶。不思議な雰囲気のふらりと現れてふらりと消えるおばあさん。
急いでリサさんに言って休みを貰い、図書館に飛び込む。大佐はニコラス・フラメルを知っていた...ということは、きっとどこかに彼の記憶があるはず。
一日かけて、彼の書いた本そして彼について書かれた本を探しては読んで、また読んで。
その中の一ページ。彼と彼の奥さんが写ったその写真に目をとめる。_見たことのあるおばあさんだ。_
以前は直接。今日は夢のなかの記憶で。
彼女がニコラス・フラメルの奥さんとしたら、この不思議な出来事も納得がいく。
そう思っていたが今、確信に変わった。
そうか、ニコラス・フラメルとダンブルドアは旧知と知られている。だから、ご主人様でさえフラメルをみつけられないと。
「じゃあ、ダンブルドア。あなたは私がいる場所を知っているのね」
嫌な人、ポツリとつぶやく言葉も部屋の中で静かに消えた。