ある日

ケーキ食べよう、そう笑っていたのにテレビの音がうるさい。しょうがない、消しに行くかとしたタイミングで自分が寝ていて"いま"起きたことに気づく。

うるさいそれは#name#のではない。#name#に腕を回して寝ている男が最近ハマっているとかの爆音系の音、「サイコーに狂った曲」って褒めてるのかどうかわからないが。

「ん、鳴ってる」

男の肩を優しく叩くが反応がない。

「もーうるさい。電話」
「誰から?」

やっときた反応がそれ。枕元に落ちているだろう音源に手を伸ばし触れたそれを掴んで画面を確認する。

「げとーすぐる」
「俺休みって言って」
「やだ。出て。うるさい。」
「もー……、なに?は?あーそうだっけ」

電話に出ながらベッドから降りていく後ろ姿を見る。せっかくの休みなのに目が覚めた。男がどうするつもりか、それ次第で二度寝ができる。

「部屋に置いてる。後で返しに行くから。いま部屋いない、ううん昨日帰ってきた。わかった、いまからそっち行くから。」

頭にぽんと手を置いて、すぐるのへやにいってくると部屋を出ていく彼をぼーっと見送る。言われたセリフを理解し帰ってこないだろうとそのまま丸まった。