夢をみた。

 私は手を引いていた。それが誰のものかはわからなかったが私のそれよりも少しだけ大きな色の白い手だった。その手の手首から先は闇に溶けてしまったように見えなかったが見えないだけで確かにそこに誰かが居たのだと思う。進んでいくにつれて、それはすぅと霧のように溶けていった。
 その光景がどこか悲しくて、それでいて温かくて、懐かしくて。過去を忘れてしまった私に懐かしいという表現がはたしてあっているのかと思いながらただ、一人立ち尽くしていた、そんな夢。

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