君の好みはふんわり女の子らしい服装の子。

私はカジュアルな服


なのに君はスタイルがいいから似合うね、って笑うんだ





やっとテストが終わって、ストレス発散に買い物に行った。ウィンドウショッピングをしているとき、ガラス越しにキヨを見つける。
隣には、彼女。仲良く手を繋いで、笑ってる。久しぶりに見るキヨの私服と、ピンクのふんわりした服の彼女。

どうして今日に限って……せっかく気晴らしに来たのに逆に落ち込んで、バカみたい。
無意識に彼らを目で追う自分が嫌で、目的の店まで早歩きで向かった。



◇ ◇ ◇



思ったより買いすぎた……。
ばさっ、と買い物袋をベッドに置いて自分もそこに倒れ込んだ。見てしまったことを忘れたくて、好きなブランドで馬鹿みたいに買い物をして。黒と白以外ほとんど色がないカジュアルな私の大好きな服。でもそんな服を見てもやはり目に浮かぶのはキヨとその彼女の仲良さげな姿だった

「ああ、服吊らないと皺になっちゃう」

そう呟いて体を起こした時にぽろ、と零れた何か。
あーもう惨め……。

次から次へと零れるのは確かに涙。止めようとしても止まらなかった。
今まで何度も流した彼への涙はいつも苦しくて、虚しくて。

今回も、何も変わりはしなかった。





prev next


ALICE+